DiscReview: May. 2011

DiscReview: May. 2011


  1. Robag Wruhme / Thora Vukk [Pampa Records]
    今月はアルバムのレビューが多いのですが、まずはこのアルバムからご紹介。3月にリリースされた本アルバムからのファーストシングルカットでありタイトル曲”Thora Vukk”がめちゃんこカッコよくて卒倒しそうになったRobag Wruhmeのニューアルバム、彼とDJ KozeのレーベルPampaからリリースです。そもそも僕は彼のことを知らなかったし、Kozeとレーベルやってることも知らなかったし、それがPampaってのも知らなかったし、名前の読み方よくわからんし、Beatportのアー写ヒドイし、てな感じのRobag Wruhmeですが、内容は最高です。マジで全曲ハズレなし。今年のベストアルバムかもって勢い。Kozeの変態度を下げつつもより一層根暗にした楽曲の数々は、ドイツっぽい乾いたキックにピアノや環境音を巧みに乗っかる珠玉のチルアウトダンストラック。是非遮音性の高いカナル型イヤホンで聞いてください。果てしなく素晴らしい。
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  2. Vincenzo / Wherever I Lay My Head [Dessous Recordings]
    そんなRobag Wruhmeのアルバムが今年、少なくとも上半期は疑いようもないベストアルバムと思われましたが、それも束の間、最強の刺客が登場です。そもそもは2008年にリリースされ、Funk D’VoidのMix CD”Sci-Fi Hi-Fi: 04″にも収録された”The Resident”が激烈にカッコよくて一瞬にして僕をファンにせしめたVincenzoですが、その後も僕の期待を裏切らない素晴らしいトラックをFreerangeやBedrockなどの名だたるレーベルからリリースし続け、ついにニューアルバムをリリース。って調べてみたらこの人ずっとSteve BugのレーベルDessousのアーティストでもう3枚もアルバムリリースしてんのね。内容はこちらも文句つける余地なし、これまでVincenzoの作風が好きだった方々は確実に気に入るはずです。ちなみに先日のアルバムリリースパーティ@elevenも最高で、今年の個人的ベストギグとの呼び声高し。
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  3. V.A. / Edizione [Saw Recordings]
    今月紹介するアルバム3枚目は我らが世界に誇る日本人DJサトシトミイエが率いるレーベルSaw Recordingsからのコンピレーションアルバム。Toby TobiasやMabaan Soul、Luca Bearなどここ1、2年でSawメンバーに加わったアーティストの楽曲を中心にコンパイルされたショーケース的アルバムです。サトシトミイエのレーベルだけあって楽曲は彼のプレイにフィットしそうな硬質でグルーヴ感のある曲が勢揃い。個人的にはアルバムの1曲目を飾るToby Tobias / “5AM”が大好き。最近のこの人の緩めな感じの曲はツボです。先日Airで行われたリリースパーティも、音楽、ヴィジュアルインスタレーション共にかっこ良かったー!
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  4. Monday Michiru / Don’t Disturb This Groove [Grand Gallery]
    今度は毛色の違うアルバムをご紹介。些かのミーハー感が漂いながらもなんだかんだで大好きなMonday Michiruのニューアルバム。今回はいつものJazz / Soul / Bossanova的アプローチでありながらも、過去のベタベタな名曲のカバーという趣き。Michael Jackson / “I Can’t Help It”、Stevie Wonder / “As”、Bob Marley / “No Woman, No Cry”、The Brand New Heavies / “You Are The Univers”、などなどあまりのメジャーな曲目に相当ベタベタのヌルヌルな仕上がりなのかなーとヒヤヒヤしていましたが、ところがどっこいこれが素晴らしいのです。本人のプロデュースでちゃんと全部「マンデイ満ちるの曲」に仕上げてます。つーかやっぱ声がいい。そして安定している。夕陽を見ながらのチルアウトに最適な1枚です。最近一番聴いてるかも。[tmkm-amazon]B004XHN2F6[/tmkm-amazon]

  5. Energy 52 / Cafe Del Mar (Ricardo Villalobos Remix) [Flying Circus]
    ようやく普通のトラック物のご紹介。今月の目玉はコレ。90年代後半にフロアというフロアを湧かし、今でも木村コウさんが年に1回開催する懐メロパーティ”Time Capsule”で必ずプレイされると言っても過言ではない名曲中の名曲、昨今のテックハウスリメイクブームに乗ってちょっとリメイクされたりしましたが、今度はなんと今をときめくRIcardo Villalobosがリミックス!これはいくらなんでも畑が違いすぎるだろ!と思って聞いてみると……思いっきり畑が違う!違いすぎる!とはいえオリジナルのプログレッシブハウス〜トランス的文脈に乗っかってただただ何も考えずリメイクした的な他の曲とは一線を画すこの個性。僕はすげー好きです。ちなみに来週開催されるBig Beach Fes. ’11に出演予定だったVillalobos、もしキャンセルされてなければFPM vs Villalobosなんていうめちゃくちゃな異種格闘技が見れたのに……残念。
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  6. Infusion / Love & Imitation (Luis Junior Remix) [Vapour Recordings]
    一時は猫も杓子も誰しもプレイし、飛ぶ鳥を落とすかのような勢いだった豪州出身の3人組ユニットInfusion、最近何故かとんと見かけなくなりましたが、どうやら活動はしているようです。とはいえKate Bushの曲とのマッシュアップ”Running Up That Hill”や大ヒットした”Girls Can Be Cruel”、ブートで出回ったBjork / “Pagan Poetry”のリミックスなどなど今聴いてもどの曲もまだまだカッコいいです。そんな中、実は僕が大好きだったのは”Love & Imitation”ですが、この曲のニューリミックスがなぜかこのタイミングでリリースされました。ちょいDJ Sneakを彷彿させるハウス感たっぷりのPeter Horrevorts Remixもいいですが、オススメはオリジナルの持つ雰囲気を活かしつつよりドラマチックに仕上げたLuis Junior Remix。名曲はいつ聞いても名曲です。
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  7. Jacques Greene / Another Girl [LuckyMe]
    このディスクレビューではなるべくその月にリリースされた楽曲を紹介しようと思っていますが、例えば先月のレビューをアップした後で見つけた先月リリースの曲などは扱いに困るので、もはやリリース月なんてどうでもいいと思うようになってきました。てことでこれは3月リリースの曲。聞いたこともないアーティスト、聞いたこともないレーベル、なんとも言いがたいジャンルなのでまあ見つけにくかったのも仕方ないところですが、そんな地味な存在感の割に内容は素晴らしいです。ブレイクビーツというべきかプログレッシブハウスというべきかエレクトロニカというべきか、ジャンル分けはよくわかりませんがとにかく幾重にも重なるシンセとボーカルが変則的なビートの上に広がる得も言われぬ美しい曲。パーティの最後にどうぞ。
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  8. DJ Phono / Gone (David August Vocal Remix) [Diynamic]
    前の曲もそうですが、ジャンル分けって難しいですよね。こんなこと言ってると「音楽はアタマで聞くんじゃねえ、カラダで感じるんだぜ!」なんて言われそうですが、友達と話す時「テクノ」という言葉で想起する音楽のイメージが乖離してたら結構面倒だと思いますし、先日他のエントリーで書いたようにDJ用の曲整理というシーンにおいてもジャンル分けは重要です。ということでジャンル分けには神経質な僕ですが、こう言うのはどう表現したらいいかわかりません。Steve Bug的ディープテックハウスとでも言うべきか。とにかくdOPのようなキモチ悪いボーカルとキレイなピアノの音がオーソドックスなリズムトラックに乗っかる極めてカッコいいSteve Bug的ディープテックハウス。好きです。
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  9. Peter Horrevorts / Marked In Black [Exotic Refleshment]
    地味な存在ながら最近僕の中では徐々に地位が向上してきているPeter Horrevorts。初めてカッコいいと思ったのは2007年にリリースされたMichel De Hey / “Compound”のリミックスですが、これまでSashaがピーク時にプレイしそうなプログレッシブハウス〜ハウスを身上とするクリエイターとの理解でした。最近では今年1月にリリースされたEitan Reiter / “Smile”のリミックスが秀逸。そんな彼の自分名義のリリースである本作は、これまでのプロダクションに多く見られた控えめながらも美しいシンセ等は影を潜め、完全に踊らせ用ピークタイム仕様な作りに仕上がっています。ピークタイム前後のテンション維持に便利なトラック。
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  10. The XX / VCR (Four Tet Remix) [Young Turks]
    最後にご紹介するのはエレクトロニカの気鋭Four Tetのリミックス。彼のプロダクションはJames Holdenや彼のレーベルBorder Communityからリリースされる楽曲のように「美味い料理は超美味い、でも結構な頻度で珍味も出す料理店」のような感じ。当たる時は大体あまり血迷ったりキチガイじみたりすることなくキレイな曲を作るときで、Nathan Fake / “You Are Here”のリミックスやJoe Goddard / “Apple Bobbing”はその最たる例だと思います。この曲もそう。どことなくChemical Brothers / “The Golden Path”を彷彿とさせるメロディー/ベースライン、異論もありそうですがあの適当な浮遊感は似ている感じがします。これも朝方向け。
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