DiscReview: Oct. 2011

DiscReview: Oct. 2011


  1. Ananda Project feat. AK / Heaven Is Right Here (Abfahrt & Erich Logan Remix) [Nite Grooves]
    文句なしです。評するに術がござらん。国籍不明の吉祥寺徘徊クリエイターErich Logan氏のニュープロダクションが老舗中の老舗ハウスレーベルNite Groovesからようやくリリースです。オリジナルは泣く子も黙るAnanda Projectにゲストボーカルとして”Say That You Love Me”のヒットで知られるAKをフィーチャーしたいわゆるクロスオーバー的ディープハウスですが、それをよくもまあこんなに素晴らしいアンセムに調理したものだ。なんか有名になった途端「おれ、アイツとマブダチなんだぜ!」と言い出す野次馬のようで恐縮ですが、約10年前くらいに出会って一緒にDJしてその頃から悪態つきながらも身体壊しながらも音楽に対して真摯に取り組んできた彼が、そんな友人だとか国籍だとかを小脇に置いてもなお素晴らしい音色、コード、展開の楽曲を作りそれが名門レーベルからリリースされ、さらにはBody & Soulでのライブでも披露されるに至るなんてのはただただ感服するばかり。ここまで来るともはや他人、もう二度とエロさんとエロ話はしません。是非一聴してみてください、確実に「買い」だとわかります。
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  2. Dusky / Stick By This [Anjunadeep]
    そんな大アンセムの次に紹介するには少々地味かもしれませんが。最近とても好きになっているレーベル”Anjunadeep”。先日の 来日が記憶に新しいプログレッシブハウス/トランス界の巨匠Above & Beyondのレーベルなのですが、彼らのプロダクションから連想させる超王道哀愁トランスとは一風変わった少々「deepな」プログレッシブハウスをリリースしています。さて、ご紹介するのはDuskyのアーティストアルバム”Stick By This”。Duskyというアーティスト自体”Dusty Kid”と空目する程度でよく知りませんし、2011年にAnjunadeepから数リリースしているだけの謎のユニットですが、このアルバムのクオリティの高いこと。内容はGui Boratto的地味哀愁ディープテックハウスにRobag Wruhmeを彷彿させるピアノやストリングスなどのキレイな生音を絡めた極上ディーププログレッシブハウスの数々。個人的には”Lost In You”のイントロとベースライン、ブレイクの生ピアノ&ボーカルにゾクゾクっときてます。
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  3. Till Von Sein feat. Catz ‘n Dogz / Neptune [Soul]
    もう一つ似たような雰囲気のものを。ベルリン出身のTill Von Seinはここ数年活躍しているディープテックハウスのクリエイターでTigerskinあたりと仲が良かったりする人。個人的にはSoul Clap / “Grown-N-Sexy” (Chopstick & Till Von Sein “Tilly’s 61 Rhodes Jam”)が大好きです。そんな彼がようやくデビューアルバムをリリース。これはこれでChill OutやNu Disco、Tech Houseなど様々なジャンルを縦横無尽に駆け巡りながらも地味キレイという芯の通った良いアルバムですが、特筆すべきはGet Physical等からリリースしているCatz ‘n Dogzとの共作である本作。Chill OutとかElectronicaにカテゴライズされると思いますが、地味で重たい雰囲気ながらも暗く重く垂れこめた雲の中から差し込む一筋の光のような雰囲気は僕の大好きなパターンです。クラブでプレイすることはなさそうですが、深夜一人でまったりする時には格好の一曲。
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  4. Joey Negro pres. Akabu feat. Joel Edwards / The Phuture Ain’t What It Used To Be (Spirit Catcher Remix) [Z Records]
    王道クラシックディスコ野郎Joey Negroとエレクトロニック近未来ディスコ野郎Spirit Catcherの相性が悪いわけがないことぐらいわかりそうなもんですが、本作はその予想の斜め上を行っています。久々にひゃっほうなSpirit Catcherプロダクション。Spirit Catcherの好きなところは”Polysquasher”や”Sweet Deal”のようにイントロから期待感を抱かせながら2:30くらい引っ張ってからのブレイクでぐおーっとコブシ握る感じの展開。これはコブシ握る握力はそこまで強くないものの、2人の脳天気ディスコ野郎によるディコパワーが産み出す突き抜ける多幸感が特長。それにしてもJoey Negroはほんとに衰えを知らんなあ。
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  5. King Britt feat. Astrid Suryanto / Now (Sharam Remix) [Yoshitoshi Recordings]
    Deep Dishがすでに解散したのか、解散はせずただそれぞれがソロに力を入れているのかはよくわかりませんが、もはや過去の栄光など忘れて完全にテクノプロデューサーに転身して大成功を収めている寿司勝大好きDubfireの一方、ゴリ押しゴツゴツハウスという新キャラがいまいちシーンに受け入れられ切れていないSharam、ちょっと明暗が分かれている気がします。本作もそんなSharamらしいプロダクションではあるのですが、King BrittとAstrid Suryantoによるオリジナルのお陰か、それとも一時期大ヒットしたKate Bush vs Infusion / “Running Up That Hill”っぽい雰囲気のお陰か、なんとなくカッコいいです。上から目線で恐縮ですが、今後も頑張って欲しいです。
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  6. Egbert / Vrijheid [Gem Records]
    自分のDJセットでは滅多なことでは使わないくせについ買ってしまう曲があります。Egbertたんのプロダクションはいつもそう。130近いBPMやいかにもテクノなリズムトラックは、どちらかというと地味でディープなテックハウス好き、ピークタイムよりもビルドアップの時間帯で地味地味やりたい僕のセットには入る余地がほとんどありませんが、ただ彼のプロダクションは尋常じゃなくカッコいいんですね。多分それはシンセなどの上物に僕の好きな地味ディープ魂が入っているからではないかと思うんですが、本作も例に漏れずいい感じのシンセリフを垂れ流してくれています。こういうのが映えるくらい大きな箱&沢山のお客さんという環境でDJしたいものです。
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  7. Secret Cinema / Rita & Lynn (Peter Horrevorts Remix) [EC Records]
    Secret Cinemaも僕の中ではEgbertたんと同じような存在なのですが、これはPeter Horrevortsくんのリミックスなので、まあSecret Cinemaは関係ありません。Peter HorroevortsくんはMichel De Heyと仲が良いってことくらいしか知らないのですが、テクノとハウスとプログレッシブの中間を行く作風ながら結構地に足の着いたプロダクションを作るので好きです。安定してる。本作もジャンル的にはプログレッシブハウスと言うのかもしれませんが、そこはかとないハウス魂を感じさせる一曲で、とてもDJにとっては使いやすそうなトラックです。
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  8. Joakim / Find A Way (John Talabot’s Dusseldorf Remix) [Tigersushi]
    こういうレーベル名をつける外国人はどういう神経をしているんでしょうか。以前どこかのブログで「日本人が英語の意味もわからず着てるTシャツのメッセージがマジでウケる」特集を見ましたが、外国人が「嫡男」ってタトゥー入れたりレーベル名にこういう名前をつけるのも同じことだと思います。いや、僕の生活に支障はないのでいいんですが。さて本作は今月のNu Disco。まあ「文句なく素晴らしいぜええ!!」といわけでもありませんがこういうのもやっぱりいいですね、ってことで紹介。
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  9. Keep Me Down (Full Length Mix) / Makoto feat. Angela Johnson [Human Elements]
    今月のドラムンベース。本当にドラムンベースはコンスタントにいい曲がリリースされます。これは日本を代表するDnBクリエイターMakoto氏のNEW。僕が好きなのは4 HeroやIncognitoのドラムンベースリミックスなどに代表されるJazz的ドラムンとHospital Recordsに代表されるアゲアゲアンセムドラムンですが、これは前者に該当する感じ。まあBPMを半分にするとR&Bと同じくらいの速さになるDnBはこういうソウルフルなボーカルと親和性が高いのでしょうな。
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