オレ流仕事のサバキ方。

オレ流仕事のサバキ方。

オレ流仕事のサバキ方。


まずはじめに。
こんな「ビジネス書の受け売り」的なことを偉そうに書いてしまう罪深い僕をどうかお許し下さい。

昨今「ギリシャやイタリアの労働時間はなんて短いんだ!そりゃ破綻もするわ!」的な話がちらほら聞こえてきますが、日本ではまだまだ労働時間が長いように思います。毎日遅くまで多くの人がオフィスに残り、頻繁に休日出勤もして頑張っている。
僕はそもそも仕事を頼まれないのであまり長時間労働する羽目にならないのですが、そんな状況に陥った時に備えてどうやったらこれらをうまく捌くことができるかを考えてみたことがありました。
今回はそのやり方についてちょっと紹介してみたいと思います。

そもそも忙しいとはどういうことなのか。
単純にいえば「仕事を終えるために必要な時間が足りない」ということです。労働時間とは「1つのタスクを終えるために必要な時間」と「タスクの数」の積になるはず。また「1つのタスクを終えるために必要な時間」とは、言い換えれば仕事の難易度。そして「タスク数」とは仕事の数、量。従って、難易度と量のどちらかもしくは両方の値が大きいために規定の時間内、つまり「定時」に仕事を全て終えることができない状況、これを「忙しい」と呼ぶのだと思います。

次に、この「忙しい」の類型について「難易度」と「量」という2つのパラメータに着目して考えてみます。

  1. 「易」x「少」の場合
    タスクの難易度が低く、量が少ない場合。これは問題外です。忙しくなるはずがありません。

  2. 「難」x「少」の場合
    タスクの難易度が高いが、量が少ない場合。新規ビジネスの創出等これまでに前例のない仕事を任された場合などがこれに該当すると思います。これは頑張るしかありません。ただし、人間は学習する生き物であることを考えるとこの状況は得てして一過性の場合が多いと考えられるため、頑張ればいつか乗り切れるはずと思います。

  3. 「難」x「多」の場合
    個々のタスクの難易度が高く、さらにその量が多い場合、例えば未経験の仕事などを沢山抱えている場合。この場合は、チーム全体に見られる症状か、一部の人に見られる症状かによって対処策は異なると思われます。
    これがチームの中で特定の人にしか発生していないのであれば、それはチーム内における作業分担が偏っていると思われます。優秀な人は往々にして仕事を頼まれやすく、その仕事も他の人ではできない難しい仕事が多いので、この状況になりがちだと言われます。この場合は上司や他のメンバーと調整・交渉して作業分担の偏りを是正するか、作業の優先順位付けをすることが解決策になると思われます。
    一方、これがチーム全体で発生しているのであれば、これは耐えるしかありません。創業当時のベンチャー企業などは、人数は少ないがやるべき仕事は膨大なので、作業を偏りなく分担しても個々人の負荷は高くなります。これは仕事が一段落したり、作業が徐々に標準化ルーチン化されていったり、社員が増員されたりするまで耐える必要があると思います。

  4. 「易」x「多」の場合
    個々のタスクの難易度はそこまで高くはないが、量が多い場合。このパターンは他のパターンに比べて発現する確率が高いが故に、実はコレが最も人々を苦しめているパターンなのでは?と個人的には思います。一方で、コレが最も効率化する余地の大きいケースなのではないかと。

というわけで「易」x「多」というケースにおける捌き方についてちょっと考えてみました。

どこかのビジネス書の言い回しのようですが、「難易度はそこまで高くない」が「量が膨大な」仕事を効率的に捌く場合には、なんらかの「仕組み」が必要になると思います。仕事の効率化は「アウトプットの効率化」と同義であり、「アウトプット」とは「インプット」×「処理」の結果だとすると、そのために必要な「インプットの効率化」と「処理の効率化」を実現するための「仕組み」が必要ということになります。

  • インプット効率化の仕組み
    1. 情報の集約=情報のハブ化
      仕事をするに当たって必要な情報が欠落しているとロクなことになりません。このため、必要な情報が必ず自分を経由する仕組みを作ることが肝要です。そのためには、自分が情報流において「不可欠」となるポジションを担うことが必要。「不可欠」なポジションとは、大きく分けて情報の「作成者」、「承認者」、または「流通者」です。
      「作成者」は文字通り情報を作る人。お客さんから情報を聞いてきたり、市場分析や戦略構築を行ったり、もしくは設計をしたり。自分で作った情報ですから当然その内容は把握しているはずです。
      「承認者」は文字通り情報を承認する人。受注や発注をするしないの判断や、仕様や設計の決定を行う人です。大抵自社や顧客のエラい人がこの役割を担っています。
      「流通者」は情報を流通させる人、情報の運び屋です。社内で決定した結果を顧客に伝える営業などはまさにこのメッセンジャーに該当します。これらの人も情報の内容を把握していることが求められます。
      さて、これら3つの役割の中で、「承認者」になるのは一定の役職とのリンクが求められるので比較的困難です。一方「作成者」や「流通者」になることは、手を上げる勇気さえ持っていれば比較的容易です。
      自分が情報ハブになることは一見面倒を増やしそうに見えますが、情報が散財していてどこにどの情報がわからない中それを模索する方がよっぽど大変。責任分界がはっきりしていてどこにどの情報があるのかいつでもはっきりわかっているような組織は別ですが、そうでない場合は自分のところに集めてしまった方が長期的に見ると効率的ではないでしょうか。

    2. 情報の整理=情報の一元管理
      収集した情報は整理する必要があります。整理の目的は2つ。整理することで自分自身が情報を把握しやすくすることと、情報の検索速度を上げること。日々の仕事の中で、「あの資料ってどこにあったっけな?」とか「契約書の文面どうなってたっけ……あれ契約書どこだ?」という状況は往々にしてあると思いますが、この情報検索に要する時間が思いの外かかっているのでは?というのが僕が一つ感じていたことです。つまりここを改善すると結構効率化するのではないでしょうか。
      そのためには、自分で案件や顧客、課題等の管理簿を作成することで、一発で見つけられるようにしておく。「あの件どうなってたっけ?」と思ったり上司に聞かれたりした場合に、まずはコンマ数秒で「その情報はあのファイルに書いてあったな」ってことを思い浮かべ、その後3分以内にはそのファイルにアクセスしその問いに答えられるようにしておければいい感じです。
      これらの管理簿はメンテナンスが面倒ですが、それでも1〜2回/日は、最低でも1回/週はメンテナンスしておくべきと思います。
      ちなみに以前作って実際に効率化に役立ったのは契約一覧でした。僕が営業として担当していた案件は少額の契約が大量にあって、かつ前任者の管理方法故か原本の保管場所があちこちに分散していたため、契約更新等の際にその内容を確認するのが大変でした。そのため、ある時散らばっていた契約書を集めてきて契約名と契約日、相手、金額、形態、その他特記事項をExcelにまとめた上で、年度ごとにシートを分けて年間の売上金額等を明示するようにしてみました。契約書を参照したい時は別に原本を見たいわけではなく、その記載内容さえ確認できればよかったので、これを作ったお陰でわざわざ原本を探しに席を立つ必要がなくなりました。結構地味ですが、かなりの作業効率化に役立ったように思います。

  • 処理効率化の仕組み
    1. モジュール化=タスクの細分化と再構築
      上記のインプット効率化の仕組みを使ってインプットの効率を高めた後、次はそれを処理をする必要があります。
      処理を効率的に行うための一つの方法として、タスクを単純にして細かい単純作業の集合に分解していく細分化と、それを再度組み立てていく段取りが挙げられます。例えば、見積りをする場合。「見積もる」と一言で言ってしまえばそれまでですが、見積りという作業一つ取っても
      「原価要素の分解」→「個々の原価要素に対して見積り取得または検討、原価確定」→「利益率の設定もしくは販売価格の設定」→「社内稟議」→「見積書作成」→「提出」
      という作業に分解されます。
      作業を実施する際、大きな塊で「作業」と認識する場合と個々の小さなタスクに分解して認識する場合では、作業の漏れ防止や進捗管理の効率化において負担が大きく異なるように思います。同時に、これらの小さい作業に分解してからそれらを再度組み立てると、「お、作業Aと作業Bは同時にやれるじゃん」とか「作業Cの前に作業Dは絶対終わらせなきゃマズい」とかがわかるので、より効率的に、無駄なく作業計画を組み立てることができます。さらに、作業が発生した場合にこのような細分化、段取りを思い浮かべられるようにしておくと、その場で不明点が見つけられるようになります。見つけた不明点は予め上司や顧客に確認することができるので、これまた効率化に繋がります。
      ちなみにこのようなモジュール化は結構色んな場面で有効活用できます。例えばプレゼン。プレゼン資料を作成する際はできるだけメッセージを分割して細かくします。そしてその細かなメッセージごとにスライドを作る。そうすると後々ストーリーの組み換えにも柔軟に対応できたりします。実際にプレゼンをする際も、「このパートでこれを話す」「次のパートではこういうことを伝える」と、モジュール化→再構築しておくと、一字一句暗記せずともラクに話すことができたりします。
      DJも同様。自分の持ち時間をなんとなく「2時間」として捉えるよりは、「最初の30分は前のDJの雰囲気から自分の雰囲気に合わせる時間」「次の30分はアゲ気味で」「その次の30分はキレイめな感じでちょっと落ち着けて」「最後の30分で次のDJが繋ぎやすいアガりもサガりもしない感じで」なんていう風にモジュール化して考えると展開が作りやすいように思います。

    2. テンプレート化=作業のパターン化
      作業を細分化してみると、結構共通する作業が多いことに気づきます。例えば先の見積りの例で言えば、「社内稟議」や「見積書作成」のプロセスはよほどヘンな案件でない限り、案件やプロジェクトによって大きく異なるものではないと思います。この場合は、例えば見積書のテンプレートを作ってしまったりして「見積書作成」作業を効率化します。
      僕が昔よくやってしまったミスは見積書における消費税の計算でした。Excelに計算させていたのですが、消費税相当額の小数点以下を切り捨てなければいけないところを切り上げてしまっていました。これは毎度「売値 x 1.05」なんて言う計算式をセルに書いていたからですが、次からはそもそも見積書のテンプレートを作ってしまって、宛名と商品名・数量・単価だけを埋めればいいようにしたところ、ミスすることはなくなりました。
      その後はこれに味をしめて色んなものをテンプレート化しました。タスク管理や案件管理、プロジェクトごとのP/Lシートや議事録などなど。これらによっていちいち様式を作成する必要はなくなりましたし、同じミスを繰り返すことはなくなりましたし、作業や記入漏れも防止できて、結果としてメチャメチャ効率化できたように思います。もちろん短期的には時間がかかりますが、長期的には補って余りあるだけの時間短縮をもたらすと思います。

    まあ偉そうに色々書いてきましたが、これらのやり方は基本的にはホワイトカラーに当てはまることだと思います。当然箱根細工の職人さんには当てはまりません。
    また、これらは全て担当者レベルの仕事に合うやり方です。管理職には全然違う働き方が待っています。
    とはいえ少なくともこれまでの僕の会社人生には、これらのコツのお陰で短期的に繁忙期はあっても恒常的繁忙ってのはほとんどありませんでした。それがいいか悪いかはさておき。
    そして現在は「難」x「多」のパターンの中こんな小手先の小技が通用せずに死にそうになっています。