DiscReview: Aug. 2013

DiscReview: Aug. 2013


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  1. Sailor & I / “Tough Love (Aril Brikha Remix)” [Black Butter Records]
    時々とても美しげなプログレッシブハウス〜テクノトラックを作るけど、どちらかというとテクノ感が強い上あまりにヒゲモジャ過ぎるのでいささか敬遠していたAril Brikha。しかしそんな彼に一発逆転ホームランを打たれたような感覚です。このいかにもSashaのMix CD “Involver”の前半部、まだBPMが早くない時間帯で使われそうな完璧な美麗エレクトロニカよ!トラックの感じもシンセもボーカルも最高だぜええええ!!ちなみに”Pablo Nouvelle Remix”はもっとど真ん中エレクトロニカで、暗い部屋でしくしく泣きつつも癒やされたいと思っている人には最適です。

  2. Gui Boratto / “Too Late (Alternative Version)” [Kompakt]
    今月は豊作!時々ね、Guiはね、やってくれるんですよ!!カッコ良過ぎて死ねる、Gui Boratto最新作。先般Singaporeのクラブで想像してた企画と違って肩透かしを食らいながらもユラユラ踊っていたら別バージョンとはいえこれが掛かって半べそをかきました。ブラジル人のくせにこんな上品で知性溢れる美しいディープテック〜プログレッシブを作るのはまさに反則。もうキックだけでカッコいいのに終盤の何もかも忘れて天を仰いでしまいたくなる展開はなんなんだ。


  3. Henrik Schwarz, Jesse Rose pres. Black Rose feat. Luisa Gerstein / “Sky” [Sunday-Music]
    Henrik SchwarzとJesse Roseという異色のタッグによる1曲。ただどちらかというと作風はJesse RoseよりもHenrik Schwarzのそれの方が色濃く出ているようで、僕にとっては好都合。美しいながらもその音色の変わり方が少し狂気を含んだ感じのシンセ、鼻にかかる幼い感じのエフェクト少なめボーカル、盛り上がって踊るのかゆったりの聴くのかよくわからないトラックですが、カッコいいことは間違いないです。

  4. Ry, Frank Wiedemann & The Howling / “Shortline (Frank Wiedemann Remix)” [Innervisions]
    そんなHenrik SchwarzのレーベルInnervisionsからは同じくレーベルアーティストであるAmeの片割れFrank Wiedemannのトラックがリリース。Frank Wiedemannと言えばたまたま同時期にSingapore滞在していた会社の先輩と行った、アートギャラリーのフリをした蒸し風呂で行われたパーティでのDJがめちゃくちゃカッコよかったのを思い出します。本作もそんな彼のDJを思い出すような、ゆったりとしつつも中盤から後半にかけて高揚感が高まるナイスなトラック。同梱の”Litmus”もキレイなエレクトロニカです。

  5. Dusky / “Mr Man” [anjunadeep]
    大好きレーベルAnjunadeep系の中でもAndrew Bayerと並んで大好きなのがDusky。シンセの音色とそれが奏でるメロディーがキレイだからっていうのは言わずもがなだけど、実はそれを支えるトラックがきっちりしっかりしているのがカッコよさの秘訣な気が。この曲もまさにそうで、ブレイクのピアノの音色の美しさは本当に聴き惚れてしまうほどだけれど、実はこのトラックを選んで再生ボタンを押した直後に聞こえるキックの硬からず柔らかからずな感覚に既に酔いしれます。SHUREのハイエンドカナル型イヤホンで聴くと本当に没頭できる。

  6. Seamless / “Castle in the Sky (Aurtas remix)” [Section Records]
    日本人なのに日本人離れしたトラックを作りNick Warrenを中心に欧米の大DJにもがっちりサポートされているクリエイターAurtasさん。彼のTwitterを見ていると「姉」という言葉しか流れてこないのがよくわかりませんが、そのトラックのクオリティは本物。本作はエレクトロニカ〜EDMまでイケる彼のプロダクションの中ではちょっと珍しい感じの硬派プログレッシブ。ただ、Funk D’Void好きの僕にとっては大好物意外の何者でもありません。ちなみに彼がリミックスしたZedd / “Clarity (Aurtas Pararell Trip Club Mix)”を聴くと本当に天に召されることができます。

  7. Arty feat. Fiora / “Grand Finale (Extended Mix)” [Ministry of Sound (UK)]
    昨今のEDMブームは若さを失ってしまった僕にとっては本当についていけないものなのですが、CyberTranceブームの中でも依然名曲は名曲だったように、EDMの中でも名曲は名曲です。これもその1つ。典型的EDMですがそれでもシンセのビャービャー感だけで押し切ろうとする他のEDMとはちょっと別物な感じ。透明感溢れるボーカルと、ビャービャー感をほんの少し抑えたシンセ、それらの全てがいい感じで調和しているので僕でも心地よく聴くことができます。で、ArtyとAviciiって同じ人だっけ?

  8. Super8 & Tab feat. Julie Thompson / “Your Secret’s Safe (Jaytech Remix)” [Magik Muzik]
    もう一つEDMめいたものを。オリジナルはAnjunabeats常連のトランスアーティストSuper8 & Tab、その新曲を尖ったキックの名手Jaytechがリミックス。こちらもキレイなボーカルがちゃんとした音楽として聴けるような曲、それをJaytechお得意の跳ね過ぎとも言えるほど跳ねたリズムトラックでうまく味付け。まあキックはやっぱり跳ね過ぎじゃ?とは思いますが、そのブレイクの美しさに仕方なく一票です。

  9. Ono / “Walking On Thin Ice (Dave Aude House Dub)” [Twisted]
    ついにこういうトラックを買ってしまった上に、レビューで紹介するなんて……という後悔が入り交じる複雑な気持ちの1曲。Beatles世代ではない僕は「John Lenonの嫁」と言われても「はぁ」としか言えませんし、むしろテレビで一瞬彼女を見た時「怖っ!」と思って以来未だにその声には慣れません。ただそんなオノ・ヨーコ女史は今でも前線で活躍するアーティストであり、なぜか名門NYハードハウスレーベルTwistedから膨大な量のリミックスと共に絨毯爆撃を行う活動家でもあります。これまでは見向きもしなかったオノ・ヨーコトラックを聴く気になったのは、このDave Audeによる恥ずかしさ一歩手前のアゲアゲトラックの仕上がりがナイスだったから。Dubなのでオノ女史の声も効果的にしか使われていません。とにかくアガります。

  10. Light Of Night / “Let It Be” [Influenza Media]
    そんなオノ女史の曲を紹介した後にこんなタイトルの曲を紹介するのもなんだか気が引けますが、ダンナのそれとは全く関係ありません。さて、今週のドラムンベースは「たまにはこういうのが聴きたかったんだよ!」という感じの、「キック&ボーカルだけ」的さっぱりした味付けの好トラック。派手な展開はありませんが、汚くもなく、美しくもなり過ぎずなこういうトラックはDJセットの中盤にとても重宝しそうです。