オレ流所持品紛失ダメージを最小限にする方法。

オレ流所持品紛失ダメージを最小限にする方法。



既に何度かこのブログでも語っていますが、2013年7月にダイビングクルーズツアー先で沈没事故に遭いました。悪天候により船が沈没、着の身着のままで救助ボートを捕まえて漂流すること14時間、ようやく通りがかった石油タンカーに救助されました。

船の沈没を体験してわかったのは、所持品の確保なんて不可能だということです。そもそもライフジャケットすら着用する間がない。あっという間に船内に水が入り、あっという間に沈没していきます。たまたま身に着けていたもの、たまたま着ていた服やそのポケットにたまたま入っていたもの以外は海の底に沈んでいきます。このような状況は沈没事故のみならず、海外旅行先で置き引きに遭うとか、ロストバゲージしてしまうといった状況、地震や火災などの災害などの被害にあうというような状況も同様と思います。

このような状況に備えるにはどうしたらいいか。
鉄則はただ一つ、「プライスレスなものを持たない」ということです。

所持品を4つのカテゴリーに分けて考えてみましょう。
2マスx2マスのマトリックスを考えます。一つ目の軸は、「物理的なアイテムか論理的なアイテムか」という分類。「物理的なアイテム」とは文字通り手に取って触れることができるもので、携帯電話や服、お金等が該当します。「論理的なアイテム」とは実体がないもので、携帯電話に格納されているアドレス帳のデータや電子マネー等が該当します。
もう一つの軸は、「お金で買えるものか買えないものか」という分類。一般的に携帯電話はお金さえ出せば全く同じモデルを再び手に入れることができますが、「亡くなった祖父からもらった思い出の品」などはお金を出しても買うことができません。要するに「プライスレス」です。
紛失して困るのは後者のプライスレスなもの。この紛失リスクにどう対処するかが紛失時のダメージを大きく左右します。

それぞれのカテゴリーにおけるアイテムの具体例を下図のマトリックスにプロットしてみます。どのようなアイテムがどのカテゴリーに入るのか、具体的にイメージできると思います。所持品紛失のダメージを最小限に食い止める方法は、この4象限それぞれの分類に応じて考えるのがいいと思います。

お金で買えるお金で買えない
物理的アイテム
  • 安価なアイテム(携帯電話、デジカメ、iPad、財布、衣服等)
  • 高価なアイテム(高級腕時計等)
  • 現金
  • クレジットカード
  • 身分証明書(パスポート、運転免許証)
  • 形見
  • 記念品
  • 一点物や生産中止のアイテム
論理的アイテム
  • スマホ等のアプリ
  • コンテンツ(音楽、映画)
  • 携帯電話のアドレス帳
  • 各種ウェブサービスのパスワード
  • 写真データ

  1. お金で買える物理的アイテム
    • この4象限において、「お金で買える物理的なアイテム」は金額の多寡のみが問題です。金額が大して高くなければ、ただ買い直せば済む話です。現代社会は便利になっているので、Amazonや楽天などのオンラインショップを利用すればものの数日で同じアイテムを再び手にすることができます。このようなアイテムに対しては予防策はありません。ただ淡々と買い直しましょう。
    • 高価なものは少々問題です。お金さえあれば再び同じ品物を手にすることができますが、問題はそのお金。手取り給与の1ヶ月分以上するアイテムはそう簡単に買い戻すことができません。この場合重要になるのが保険です。海外旅行の場合はクレジットカードに付帯している海外旅行保険、災害の場合は火災保険等が対策になります。少なくとも海外旅行等において高価なものを持ち歩く際は、自分が加入している保険、その保険のカバーできる範囲と保険適用のための条件を事前に確認しておくのがよいでしょう。
    • 現金やクレジットカードも「お金で買える物理的アイテム」と言えます。しかし、現金はお金そのものであるため「買い戻す」類のものではない上、基本的に携行品保証の対象外です。例えば旅先での現金確保はクレジットカードのキャッシングサービスを利用して少額に留めておくなどの対策を講じましょう。クレジットカードは多くの場合無料ないしは数千円の再発行手数料を払えば再発行してもらえます。落ち着いたらすぐに手続きをしましょう。
    • パスポートや運転免許証などのIDもプライスレスではないためこのカテゴリーに入りますが、これらは再発行の手続きが厄介な上、特に海外滞在中はこれらの紛失はさらなるトラブルを招きます。紙のコピーや携帯で写真を撮っておくなど、物理論理両面のコピーでバックアップした上で持ち歩く頻度を減らし、リスク軽減に努めましょう。
  2. お金で買える論理的アイテム
    • お金で買える論理的アイテムとして思い浮かぶのは、持ち歩く携帯電話やiPadなどのデバイスに格納されたアプリケーションや音楽、映画などのコンテンツです。これらは購入経路により対策を分けられると思います。まずApp StoreやiTunes Store、Amazon等のオンラインストアで購入したもの。一般的にはPCなどからログインできれば購入履歴が残っているので再ダウンロードができます。購入後一定期間が経過してからの再ダウンロードは有料の場合が多いですが、それでもお金を払えば買い戻せます。これらのデータをPC等にバックアップしておけば、買い戻す際の出費を抑制することができます。この後も繰り返し述べますが、データやコンテンツの論理的アイテムを防衛する最も効果的な方法はバックアップです。二重三重にバックアップしておくのがベストですが、それが無理でも自宅のパソコンやオンラインストレージ等にバックアップしておくようにしましょう。
    • 昨今は違法になってしまいましたが、オンラインストアで購入したアプリケーション、コンテンツではなく、自分が持っているCDやDVDから読み込んだデータもあります。媒体が手元に残っていればこれはただ再度読みこむだけです。(念のため申し上げますが、本エントリーは違法行為を推奨するわけではありません。法律をよく確認し自己責任で行なってください。)もしオリジナルのCDやDVDを捨ててしまったり売ってしまった場合でも、多くの場合iTunes StoreやAmazonで買うことができますし、またYahoo!オークションやeBay等を利用すれば絶版のCDでもお金さえ払えば再度手に入れることができると思います。こちらも、やはりバックアップを取っておくことが基本的な予防策です。
  3. お金で買えない物理的アイテム
    • お金で買えない物理的アイテムの最たる例は「形見」や「記念品」です。どんなにありふれた品物であっても、「形見」や「記念品」という属性は唯一手元にあるそのものしか有していないもの。これは失くしたら最後、どうすることもできません。できる限り持ち歩かないなどして、それらのアイテムをリスクに晒さないようにしましょう。
    • また、これは自分でコントロールできる要素ではないかもしれませんが、そもそもそういう品物をもらわないというのも手です。恋人から手編みのマフラー等をもらいそうになったら商品券で代替して欲しい旨をはっきりと伝えましょう。
    • 質感は少し変わってしまいますが、大切な写真のアルバム等は全てデジタライズしておくことも対策として考えられます。音、文章、画像等はデジタル化でき、一度デジタル化できればバックアップが可能です。音楽、映画、書籍等はできる限りデジタル化しておいた方が吉です。
  4. お金で買えない論理的アイテム
    • 例えば携帯電話のアドレス帳データはお金を払っても買い戻せない論理的アイテムです。何度も繰り返し述べているように、データの紛失を避けるのはバックアップが一番です。今すぐにバックアップをしましょう。自宅のパソコンに外部ストレージを繋げてバックアップするのも手ですが、iCloudやGmailを活用してクラウド上にバックアップしておくのも効果的です。iCloudであればiPhoneなどのiOSデバイスを新たに入手すればすぐにアドレス帳は復元できますし、Gmailであればデバイスを問いません。
    • 特にアドレス帳のデータについては、リアルな人間関係やFacebook等のSNSを活用してコミュニケーションを重層化、冗長化させることで、アドレス帳を再構築する手段を確保しておきましょう。親戚の連絡先は親に、会社の同僚の連絡先は上司や総務などに聞けば補完、再構築できますし、FacebookやTwitterでアドレス帳を紛失したため再度連絡先を教えて欲しい旨ブロードキャストすれば少なくともそのSNSでカバーされているコミュニティのデータは復元が可能です。
    • 上述したようなFacebookやTwitter等のSNS、iCloudやGmailのパスワードを全て暗記している場合は問題ないですが、セキュリティに配慮してランダムな文字列にしてそれを1Password等のパスワード管理アプリケーションで管理している場合、このパスワードデータが失われるとあらゆるデータにアクセスできなくなる可能性があるので危険です。こちらもしっかりバックアップしておきましょう。1Passwordユーザであれば管理対象のデータをDropboxに置いておき、Dropboxのログインパスワードだけを暗記しておけばそれを元に全てのパスワードを安全に管理することができます。
    • 写真も一度失ってしまうと二度と取り戻すことができないプライスレスなものです。これはなかなか難しいかもしれませんが、旅先で撮った写真はこまめにPicasaやFlickerなどのオンラインフォトギャラリーやDropboxにアップロードしてバックアップし、カメラの中のSDカードにしかないデータ、つまりバックアップされていないデータが最小限になるよう気をつけましょう。EyeFiなどのWiFi機能付きSDカードを利用すればカメラの中のデータをすぐに携帯で取り出し、携帯からオンラインストレージにアップロードすることでバックアップすることができます。旅先では難しくても、帰宅したら必ず自宅のパソコンに写真データを取り込んでおきましょう。「ここ半年分の写真データは相変わらずカメラの中のSDカードに入れっぱなし」という状況は最悪です。
長々と書きましたが、要するに物理的プライスレスアイテムは持ち歩かない、そもそも保有しない、論理的アイテムは全てバックアップしておく。こうしてプライスレスなアイテムの数を減らし、またそれを持たないようにすることが、万が一の際の損害を最小限に食い止める効果的な予防策だと思います。
それ以前に所持品を紛失するような事態に遭遇しないことが一番なんですけどね。