Book and glasses

オレ流英会話学習法。

Book and glasses

僕は英語がまったく話せません。
感じ悪く思われるのを恐れずに言えば、僕の英語の成績はよいです。
センター試験の英語は満点だったしTOEICだって800以上ある。
でもまったく話せません。
外人に道を聞かれたら日本語で「ごめんね、わかんない」って答えるし、百歩譲って英語で話そうとしても「うー」とか「あー」とかしか言えない。
未だに思い出しても恥ずかしい気持ちでいっぱいになるのは、以前Audioflyの二人が来日した時に一緒に山形でDJさせてもらい色々観光した時のこと。
彼らと色々雑談したいし彼らも話をふってきたりしてくれるのに、まるで答えられない。話せない。
これはたまらない思いでした。
そしてこれは長年僕にとって大きなコンプレックスでした。

一方で、昨今巷でホットな楽天の英語社内公用語化とかパナソニック、ファストリの外国人採用とかの話題。
これらの施策の是非については色々意見はあれど、確実に言えるのは被雇用側にとって英語を話せる方が働き口は確実に多いし、雇用側にとって日本語を必須としなければ優秀な人間をより多く採用できる。
グローバル化ボーダレス化フラット化が進むこの時代にいっぱしのビジネスマンになりたければやはり英語を話せること、英語で仕事ができることはやはり読み書きそろばんレベルの基礎的なスキルになりつつあります。
逆に英語を話せれば(英語を話せる「だけ」じゃダメだけど)、チャンスは確実に広がります。

こんな思いがきっかけで、ようやく思い立って勉強してみようと思いました。

しかしながら巷に英会話学習のツールは数多くあれど、英会話学校は学費が異様に高いし、本屋で売ってる本を何冊読んでみても一向に話せるようにならない。
色々試行錯誤した末得られたのは、要するに「英語で話をする上でどんな能力が必要であり、どうトレーニングすればいいのか」ということ。
TOEICの勉強は英会話にはまるで役に立たないし(リスニング力の向上という意味では重要だけど)、文法的にハイレベルな本を読んでも意味がない。
英会話学校に通うのは効果はあるけどコストパフォーマンスが圧倒的に折り合わない。
最終的に下記の方法を並行して実践することが最もコストパフォーマンスが高く効果的ということがわかったのでご紹介します。

必要なのは、下記3つのトレーニング。

1. 基礎力:基礎的な文法知識の習得と反応速度の向上
2. 応用力:特定の状況における表現・言い回しの学習
3. 実践練習

以下にその背景とトレーニング方法を説明します。

1. 基礎力: 基礎的な文法知識の習得と反応速度の向上
【解説】
  • ここでの目的は中学レベルの英文を即座に話せるようにする=考えなくても口をついて言葉が出てくるようにすること。
    必要なのは「読めるようにすること」ではなく「話せるようにすること」。
  • ここでのポイントは2点。「最低限の文法」と「反応速度」
  • ポイント1「最低限の文法」
    英会話(日常会話であろうがビジネス英語であろうが)において求められる文法知識は論文等を書くのでない限り中学レベルで十分。
    しかしながら、僕をはじめ多くの人は「文法は知っているが話せない」人がほとんど。
    それは「漢字を読めるが書けない」に似ている。
    例えば、「誰が部屋を掃除するのですか?」を英訳すると、つい「Who does clean this room?」と言ってしまうけど、これは間違い。
    正解は「Who cleans this room?」。
    逆に、「Who cleans this room?」という英文を和訳してみろと言われれば、ほぼ全ての人が正しく和訳できるはず。
    まずは、単数形/複数形、疑問詞、三単現のsなどなどを正しく話せる「会話用」基礎文法を身につけることが肝心。
  • ポイント2「反応速度」
    上述したような文法知識がある程度備わっていれば、英文を組み立てるのは難しくない。
    僕だって多分できる。3分もらえれば(笑。
    でも会話の場合、相手の発言を聞いてからリアクションするまでに与えられる時間は多くても1秒。
    その1秒の間に英文を組み立てなければならない。つーか「組み立てる」なんてことをしてたら間に合わない。
    なので脊髄反射で反応できるようにする。身体に覚えさせる。これが重要。
    そのためにはひたすら反復練習。
【トレーニング方法】
2. 応用力:特定の状況における表現・言い回しの学習
【解説】
  • 基礎レベルの文法と反応速度を身につけたら、次に求められるのは応用力、つまり多様な「表現」の習得。
  • 日常会話や英語での会議等、英語を話すシチュエーションでは当然「適切な表現」「不適切な表現」というものがある。
    ここではそれを学ぶ。
  • 例えばビジネスシーン等において、特徴的な表現・言い回しがある。
    自分の考えを述べるに当たって必要な”As far as I can see,”や”In my view,”等の言い回し。
    これらは日常会話では不要なので、別途学ぶ必要がある。
    業界・分野特有の語彙等も同様。
  • 挨拶等も同様。
    外人に”How are you?”と聞かれたら”I’m fine, thank you. And you?”と答えればいいことくらい多くの日本人は知っているけど
    (その表現がナチュラルかどうかはさておき(笑。)、”How have you been?”なんて聞きなれないことを言われた瞬間パニックになる。
    僕も最初それを聞いたときは「それの返事の仕方なんて教科書に書いてなかった!」と思いつつパニクった。
    従って日常会話におけるある程度の定型的な表現は学んでおく必要がある。
  • さらに「フォーマルな表現」「カジュアルな表現」の区別も学ぶ。
    学校では相手の名前を聞くとき、中学では「What’s your name?」と聞けと習うけど、でも実はこれって「お前、名前は?」ってなニュアンス。
    文法的には正しいけどあまり礼儀正しい表現とは言えない。
    こういう時は「May I have your name?」=「お名前頂戴できますか?」などと言うらしい。
【トレーニング方法】
  • 英会話スクール(ビジネスシーン等特定分野での表現、語彙力学習)
    〜表現を学ぶだけなのでマンツーマンに拘らなくてもよい。会社のカネで行けるスクールがあればその方がbetter。
  • 書籍(特定表現、語彙力学習)
    (推薦図書:とくになし。ビジネス英単語の本とか。)
  • 書籍(フォーマル/カジュアルの区別)
    (推薦図書:「その英語、ネイティブはカチンときます」(デイビッド・セイン著)
  • 英字新聞等(時事ネタの語彙力向上に)
3. 実践練習
【解説】

  • 基礎力、応用力を身につけたところで、実践しなければ定着しない。
    従って毎日「外国人」と話して練習する。(日本人相手だと困ったときに日本語に頼ってしまう。)
  • 「外人と話すだけで十分なんじゃ?基礎力、応用力のトレーニングいらなくない?」と思う人もいるかもしれないけど、それはない。
    対人コミュニケーションの場合、相手がこちらの意図を「汲んでくれてしまう」ので。
    つまり文法的に間違っていても、表現が不適切でも、前後の文脈や身振り手振りで意図は伝わってしまう。
    結果として、「私」と言いたいのに「you」と言うなど全く意味不明な致命的ミスをしない限り、会話はうまく進んでしまったりする。
    (例えば、シンガポールでは”She go to school yesterday.”などは普通。意味は通じるけど文法的には……)
  • 場数をこなすことで「慣れ」も獲得。
【トレーニング方法】
  • オンライン英会話
    (推薦サービス:色々あるので調べてみてください。)

てことで色々試してみて上記の結論に至りました。
必要なコストは、上記3つあわせて年間5〜6万円程度。つまり月額5,000円程度。

ただし、上記3つは段階的に取り組むのではなく、なるべく同時にやった方がいいと思います。
通勤途中の電車で本読みながら基礎力トレーニング、同時に本か学校で表現を学習する一方で、毎晩自宅でオンライン英会話レッスン、とか。
時間的に不可能ではないし、むしろ段階的にやる方が道のりが長く思えて途中で飽きると思います。
逆に3つを一気にやる方がそれぞれのシナジーが発揮されるので身に付くのが早いし、それゆえに成長を実感できます。

以下、余談ですが英会話教室は本当に費用が高い。
英会話教室とオンライン英会話の費用を比較すると、単純計算で前者は1分200円、後者は4円。50倍の差。
確かにオンライン英会話の先生はフィリピン人の若いおねいちゃんが多いけど、レッスンの内容はスクール次第だし発音のいい先生も多い。
英会話教室の方が確実に質が高いが、それでも50倍の費用を妥当とするだけの付加価値はない。せいぜい5倍か?
とはいえ、講師の給与水準や教室の家賃水準を考えると1/10のコスト削減は困難。
てことで多分5年以内にこの業態は淘汰されると思います。


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