キャリアにおける第3の軸。

キャリアにおける第3の軸。


入社5年目頃は「社会人思春期」だと思います。
4年制大学であれば大学3年生の時に就職活動を迎えますが、それまで特段キャリアに対する具体的イメージを持たぬまま、また自分の人生に対して真正面から向き合わぬまま、なんとなく「周囲が就活するから」というそれまでの人生でよく見られた「周囲が高校に行くから」「周囲が大学に行くから」と同じ理由で就職することを決定し、「就職ランキング」を横目で見ながら就職先を絞り込んで内定をもらえた時に入社。

しかしそんな就活では自分のこと=自分が真に人生を賭してやりたいことは何か、そして他者のこと=その会社がどういう事業を営んでおり何を強みとしどういう価値に重きを置いているか、に対する吟味が不十分。
入社直後は「自分新入社員っす!頑張ります!」といいながら闇雲に頑張りますが、やがて仕事を覚え、会社のことがわかり、また同僚や他の仕事についた同級生と話たりするうちに世の中のことがわかり、徐々に吟味不十分のために摺り合わせきれなかった「自分」と「会社」の溝が露呈してくる。
なんだか仕事が思い描いたものと違う、では思い描いたものとは?そもそも自分の人生とは?

時期は人それぞれと思いますが、そんなことを考え出すのが「社会人思春期」だと思っています。
で、僕も例に漏れず社会人思春期に突入した時期がありました。

今の仕事もつまらなくはないが、なんだか違う。ではどう違うか?それはよくわからない。
ちょうど20代半ばくらいでそんな漠然とした違和感を感じ始め、悩み始めました。
そんな悩みの中で、社会にどのような仕事があるのか、その中で自分がどのような職に興味があるのかという問いへの足がかりとして考えたのが、キャリアに関するマトリックスです。(労働政策研修・研究機構の同名サービスがありましたが、それとは何ら関係がありませんのであしからず。)

この考え方は、「キャリアとは職種×業種の交点である」というもの。
職種は、営業とかエンジニアとか法務とか財務とかそういうもの。業種は製造業とか物流とかIT・情報通信とか商社とかそういうもの。
よく考えてみるとある業種にはある職種がなかったりするのでこのマトリックスは完全とは言えませんが、自分の興味範囲を特定するためのいいヒントも提供してくれます。
ちなみに当時考えた自分の理想のポジションは「企画×IT」でした。

このブログもそうですが、僕は企画することが好きです。どういう顧客に対してどういうサービスをどのように提供するか。
その思考のガイドラインは僕の恋愛にも仕事にもDJにもブログにも通底しています。
また、業種としてはやっぱりITに魅力を感じます。ITとヒトクチに言っても国内SIerやソフトウェア業者、ネットワーク業者、またGoogleやFacebookなど様々な種類の会社がありますが、基本的にはITがもたらすイノベーション、というよりも「これってすげえじゃん!」「便利じゃん!」的なところが好きです。

さて、このように自分のキャリアを考える際の拠り所にしてきたキャリアマトリックスですが、「職種」「業種」という軸に加えて「第3の軸があるのではないか?」ということを最近考え始めました。

それは「地域」という軸です。

即ち、業種の専門家、職種のスペシャリストがいるように、地域に関してスペシャリストになればその人のビジネスマンとしての優位性が成立するのではないかと。
逆に言えば、ある特定地域に関して精通しており優位性を持っていれば、業界知識や職種に関するスキルがスペシャルでなくともメシを食っていけるのではないかと。
ここで言う「地域」とは北海道とか沖縄とかそういう話ではなく、欧米か中国かその他アジアか、というような視点です。
もちろん北海道や沖縄など国内の地域に関して精通しても一定の優位性は築けると思いますが、日本は一億総中流の時代を経て全国が相当に均質化され地域格差がなくなっています。まして商習慣や法令も大きく変わらないため、ビジネスをする上で国内地域格差はそこまで大きな障害ではない。
一方で他国は別です。
商習慣や法令、さらには文化宗教も異なるため、日本で営んできたビジネスをそのまま海外に、というわけにはいきません。

例えば家電。

日本のメーカーはこれまで中国や東南アジア、インド市場への進出を試みてきましたが、その過大なスペックとそれに伴う高価格から市場に全く浸透せず、ことごとく失敗。
その一方でサムスン電子を始めとする韓国企業は徹底した現地化を図り、現地のニーズに合致しないスペックは削り落とし、一方で現地の特殊なニーズを盛り込むことで着実にシェアを延ばしてきました。この様子はよく「日本が土地を整備し、そこに韓国が家を建てた」などと言われるそうです。
昨今では日本のメーカーもこれに倣い、パナソニックはインドネシアでエアコンを発売する際、冗長な機能を削る一方で「蚊撃退機能」を盛り込んだ結果、大ヒットしたそうです。(インドネシアでは蚊が媒介する「デング熱」が第流行したため、この機能が重宝されたとのこと。)

要するに、グローバル化が進む昨今世界市場での優位性確保のポイントは「現地理解」。
従って、ある特定地域に関する理解造詣が深い人間は、当面優位性を確保できるはず。逆に言えば、特定地域に関する造詣が深ければ、職種や業種の壁もまたぐことができるようになるはず。

昨今「日本の若者は内向きだ」とか「いや、そこまで内向きじゃない」といった議論が盛んです。
実際に内向きかどうかはわかりませんしあまりそこに興味はありませんが、少なくとも言えるのは「今がチャンス」ということ。

グローバル化が本格化した昨今だからこそ、企業は日本人社員の海外派遣に積極的です。
しかし、社員を一人海外に派遣するのも安くはありません。通常の給料に加えて赴任手当、さらに現地での生活費やトラブルに遭遇した際の保険等を考慮すると数百万は軽くかかります。
そのため、日本企業の多くは、まだ内需で事業が潤っているうちは積極的に社員を海外に派遣しようとはしませんでした。
また、今後数年後にはパナソニックやユニクロのような外国人採用がより積極化し当たり前のようになるでしょう。この頃にはわざわざ賃金の高い日本人を雇い、諸経費を負担して海外に派遣するよりも、現地採用したほうが手っ取り早くなるはずです。
そしてその頃には、我々は自らの負担で海外留学等をすることによって海外経験を積まなければならなくなります。

このように、もしキャリアに悩むことがあったら「職種」や「業種」以外に「地域」という軸を思い浮かべてみるのもいいんじゃないかと思います。
もし海外で生活したり働いたりすることに抵抗がなければ、おそらくここ2、3年がチャンス!なんてことを思いつつ自分の尻を叩いたりする今日この頃です。

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