「退屈耐性」がなくなった。

「退屈耐性」がなくなった。

「退屈耐性」がなくなった。

つい先日まで、1年くらい寝付けない時期がありました。
あ、いや、そんな深刻な話でもないんですけど。
最近はお陰様で眠れるようになりましたが、それでもまだ眠ろうとしなければ丸2日くらいは眠気を感じずに起きていられる気がします。

1年半ほど前のある時、プロジェクトの繁忙期に2日間くらい徹夜しなければならない時がありました。
僕はもう「昨日2日も徹夜しちゃったぜ」的な多忙を勲章とするような年齢でもありませんし、その時も自分の徹夜による頑張りがプロジェクトの成否を左右するほど影響の大きいものではないとわかる程度にはなっていたので、「眠くなったらさっさと帰りますねー」的なスタンスで仕事をしていました。
しかし眠くならなかったので、結局丸2日弱くらい労働。

これ以降、なぜか布団に入っても眠れなくなってしまいました。
特段不安や心配が襲ってくるわけでもない。僕はそんな不安が襲ってきたとしても「まあ今悩んでもしょうがないから明日がんばろ」と思うタイプ。厳密に言えば元々はそういうタイプではありませんが、そういうここ数年でそういう物の考え方を身につけました。
そして寝付きが悪くても一旦眠りについたらちゃんと眠り続けられる。夜中に目が覚めてしまうこともない。二度寝も可能。
てことで「単純にそういうバイオリズムになっちゃったのかな?まあしばらくすれば眠るようになるだろ」なんて思いながらほっておいたら結局そのままの状態で1年経ってしまいました。

ここでお話ししたいのは、僕のメンヘラ予備軍自慢ではなく(断っておきますが、専門家の診断の結果メンヘラではありませんでしたから!)、こんな自分の生活の中でふと思ったことです。
僕も含め、世の中の人は「退屈耐性」が減ってきたのではないか?と。

なかなか寝付けないとき、僕はついついiPhoneをいじってしまいます。
ゲームをやってみたり、ウェブサイトを見てみたり、思いついたことをメモしてみたり。
恐らくこういう「ディスプレイを眺める」=「光を見続ける」行為が脳の覚醒を招いて寝付きの悪さを助長していたのだと思いますが、その一方で眠気を催さず意識がはっきりしている状態でじっとしていることができないことに気づきました。

じっとしているなんて退屈で退屈で退屈でしょうがない。

振り返ってみると、生活の中でこのような場面はたくさんあります。
電車やバスに乗っているとき、人を待っているとき、レストランで食事が出るのを待っているとき。あまり記憶にありませんが、昔はそういう場面ではただただじっと待っていたのだと思います。
しかし今ではちょっとした空き時間があるとついiPhoneを手に取る。インターネット接続できるiPhoneは常に世界中の情報にアクセスができますし、またニュースサイトやソーシャルメディアからの情報がリアルタイムにどんどん入ってくる。
これはとても便利で、昔だったら朝新聞を読まなければ知ることができなかったこと、家に帰らないと調べられなかったことをいつでもどこでも知ったり調べたりできるようになりました。
この便利さが「ついiPhone」を触ってしまう要因と思いますが、その一方で犠牲にしたのが「退屈耐性」であるのかな、と。

世の中を見回してみるとこれは僕だけではないようです。
電車の中、待ち合わせ場所、レストラン、見回してみるとほとんどの人がケータイもしくはスマートフォンをいじっています。
ゲームをしたり、調べものしたり、コミュニケーションしたり。
恐らく彼らはもはや「ただ何もせずじっとする」ということができないカラダになってしまっています。
この状況を「最近の若者は」と嘆く世代も多分同じ。休日の暇な昼下がりをテレビなしで過ごせる人がどれだけいるでしょうか。

しかし、これはそんなに嘆かわしいことでしょうか。
僕は退屈耐性がなくなったことはそこまで悪いことだとは思っていません。
もちろん坐禅を組んでゆっくり瞑想に耽ったり、待つべき場面で辛抱強く待ったりできることは大切だと思いますし、iPhoneに没頭して他が疎かになってしまうのはよくない。しかし、そういう大切な事を忘れず、また没頭しすぎることさえなけれえば、実はちょっとした空き時間を常に有効活用できているという点で有意義なのではないかと。(もちろんゲームばっかやってるのが有意義かどうかはさておき。)
夜中思いついたことを忘れないようメモする、日中街中を歩いていてギモンに思ったことをGoogleさんに聞く、音楽や記事のラフスケッチを作る、こんなことが日々のちょっとした空き時間にできるようになる。これは人生をより濃密に生きるためにプラスなのではないかと思います。

そんな僕は「早く攻殻機動隊の世界が現実になって自分の脳ミソを電脳化できればいいのに!」と日々鋭意切望中です。

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