MBAアカウンティング (グロービス経営大学院)

MBAアカウンティング (グロービス経営大学院)


経済学部卒ながら、僕には会計の知識がありませんでした。
これはいかんと思い、学生時代も社会人になってからも一念発起したことは何度かありましたが、その度に挫折。その用語や概念がどうも理解できない。頭に入ってこない。資産?負債?棚卸資産回転期間?一生懸命理解しようとしても、いつのまにか暗記科目の試験勉強のようになってしまい、しばらくすると忘れてしまう。
そんな僕が、どういうわけか今の職場では会計の仕事もやらなければならないことに。設立されたばかりの会社のため、設立直後は当然財務諸表を用意してくれる社員もいない。その一方で本社に連結決算の報告はしなければならないし、また経営モニタリングのために管理会計の数字も用意しなければならない。社長から唐突に言われる「今期の限界利益の実績と見込み、教えてー」という言葉と「えーと、どういう数字でしょうか?」という狼狽。
そんな七転八倒四苦八苦の日々の中で、やはり会計は勉強せねばという気持ちを新たにし、本書を手に取りました。

本書は、評判高い国産MBAであるグロービス経営大学院が刊行するテキストシリーズの1冊。本シリーズでは他にもビジネスプランや事業開発、人事・組織や経営戦略など、MBAの講義で学ぶ科目それぞれに対応した、言ってみれば企業経営における各イシューに対応した教科書が取り揃えられています。
このシリーズの良いところは、ただただ教科書的に各テーマに関連する単語やその意味を解説するだけにとどまらず、できる限り具体的なケースを用いながらわかりやすく解説しているところ。また、模範解答というものが存在しない企業経営という分野における教科書であるが故に、単なる教科書的解説にとどまらず各シリーズの著者がそれぞれ1人の当事者として各イシューについて論じているところも特徴的だと思います。
非常に網羅性が高く、難易度のバランスも最適。さすが実際のMBA講義から生まれてきた定番教科書といったところです。
しかしその一方で、当然ながらMBAの講義のすべてをたかだか250ページもない書籍にまとめきれるわけもなく、それ故議論の踏み込みが足りないと思われる部分もところどころ散見される様子。例えば、短期的意思決定や長期的意思決定については、意思決定に必要な情報やツールを紹介するのみならず、それらのツールや情報を具体的にどのような意思決定に繋げていくのか、ということに関するケーススタディがいくつかあってもよかったように思います。

ということで、幸いなことに今の職場での経験のお陰でようやく会計の教科書を挫折することなく読了することができるようになりました。大学で初めて会計を学んでから苦節12年。今の僕にとっては本書はいい復習、また実際の経験から得た知識の体系化に役立っています。
ただ一方で、恐らくこの理解は現業における経験がないと得られなかったというのも事実。この経験なくして本書を手にとったとしても、結局脳ミソが拒否反応を起こして挫折していたことでしょう。その意味では、まだ「実際の体験がないと理解に至らない教科書」であるという点はまだまだ改善の余地があるのかもしれません。
やっぱりここはグロービスのMBAに通わないとダメなんでしょうかねえ……。

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