会社、仕事、人間関係が「もうイヤだ!」と思ったとき読む本 (斉藤 茂太)

会社、仕事、人間関係が「もうイヤだ!」と思ったとき読む本 (斉藤 茂太)

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先日、ウェブ上で「 うつ病になりにくい人ってどんな人?共通する6つの傾向」という記事を見つけました。
曰く、下記の条件に当てはまる人はうつ病になりにくいとのことです。

  1. 部屋が汚い
  2. 遅刻しやすい
  3. 忘れ物をしやすい
  4. 仕事や勉強がいつも一夜漬け
  5. 好き嫌いによって集中力や完成度の差が激しい
  6. 感情や好不調に波がある

僕はほとんど当てはまりません。
以前はすぐ部屋を散らかしてしまう方でしたが、今は掃除する頻度と掃除内容を決めてその通りに実行することで部屋をキレイに保とうとしています。遅刻は依然してしまいますが、忘れ物はスマホアプリを使って忘れ物をしないように心がけています。(詳細はこちらのエントリー「オレ流海外出張手配術。」参照)仕事や勉強も基本的には計画を立ててからとりかかりますし、こちらのエントリー(「汎用性と好き嫌い。」)にも少し書いた通り、好き嫌いによって集中力や完成度が影響されることはあまりありません。瞑想や乗馬、適切なストレスコーピングによって感情や好不調の波もできるだけなくそうとしています。
実はこういう性格上の傾向とうつ病のなりやすさの間には統計的に有意な相関はないそうですが、とはいえ上述したような自分の性格を振り返ると「なんか、あぶねえな」と思うこともあります。

これまでの人生で一番「あ、おれ今あぶねえかも」と思ったのはインドネシア駐在期間の初期でした。
駐在したばかりなので日本人の知人友人は現地におらず、会社にいる日本人は上司である社長だけ。何の実績もない若造の僕がマネジメントとしてインドネシア人同僚の上司になることについて彼らどう思われているか常に怯えつつ、全く経験したことのない大量の業務を日々こなす。設立直後で社員数人の時期には仕事に穴をあけるわけにもいかず、かといって愚痴を言う相手もストレス解消の手段もない。食事も安心できないので食べるのは毎日バーガーキングのハンバーガー。
結局、社内でのある事件に前後して「このままだとヤバいなあ」と感じたため、色々なやり方を試し、自分なりの力の抜き方、息抜きの仕方を習得しました。

さて、本書は色々イヤになった人に対する、気の持ち方やストレス解消方法などに関するちょっとしたアドバイスを集めた本。人生の先輩が語りそうな短めの短編アドバイスを編纂したもので(実際に語っているのは人生の先輩だと思いますが)、そのアドバイスの多くは「まあそうだろな」という感じのもの。それらの多くはそこまで新鮮味があるものではありませんが、やっぱりこうして自分で自分を逃がすこと、自分で自分を逃がせることを知ることはとても重要だし、知っていると強いと思います。

先述したような、僕が駐在時代の試行錯誤から学んだことに符合することもいくつかあったので、ここではその一部をご紹介してみたいと思います。

  1. 「『ほんとうの休養』をとる
    著者によると、「休養には【安静にしている休養】と【適度に刺激を与える休養】の二種類があり、心を回復させるには後者が重要」だそうです。基本的に平日頑張って仕事するとくたびれてしまって休みの日には長く寝たり、なるべく体力消耗を避けて家でゆっくりしていたいと思いがちですが、案外そうした方がくたびれたりする。「ダラダラ疲れ」的なやつです。資産運用においてリターンを得るには投資が必要だというのは当たり前の考え方ですが、これは体力活力にも同様に言えることではないかと思います。「あー今週くたびれたなーゆっくりしてたいなー」と思いつつも、そこでちょっと気合いを入れて美味しいものを食べに出かけたり運動したりしてみる。投資をすれば必ずリターンが得られるわけではない、という点も資産運用と同じですが、これまでの経験上ではやはり投資をしないとリターンは得られないようです。体力を回復するにはまず体力を投資する。案外投資先を見つけるのが大変なのですが、うまく安定した投資先を見つけられれば資産は安定します。
  2. 「癒しの趣味を持つ」
    本書ではリフレッシュの方法として趣味を持つことを薦めています。まあ当たり前の話です。というか「癒しの趣味を持つ」なんて言ってる割には本書で例示されている趣味は癒やされるものばかりではない気もしますが、僕も「癒しの趣味」を持つことには賛成です。「癒しの趣味」なので「長時間ゲームする」とか「キックボクシングに打ち込む」なんてのはちょっと違う気がします。リラックスできて「あーもうなんか色々どうでもいいわー」と思える瞬間をもたらす趣味。僕にとってはそれがダイビングで、駐在時代にダイビングに出会えたことはとても幸運だったと思います。ダイビングにはマンタやジンベイザメとの遭遇を目指す「大物派」や小さくてキレイな生き物を写真に収める「マクロ派」など色々ありますが、僕はどちらかというと明るくて平坦で波のない海をただ力を抜いて漂いたい「脱力派」です。ダイビングで癒され、かつダイビングが終わった後もビーチでダラダラとビールを飲んだりしていると本当に癒されます。ダイビング以外にもヨガや散歩など癒しの趣味は色々あると思いますが、そういうのを一つ持っておくと色々強くなれそうです。
  3. 「悩みを文章化する効用」
    本書では悩んでいる気持ちをスッキリさせたり冷静になったりするために「悩みを書き出す」ということを推奨していますが、これ、本当に効きます。駐在時代は自分の行動を可能な限り記録しようとしていました。そうしないと、日々仕事に忙殺される中で自分が何を得たか、どういう成長をしたか、何に悩んで何に苦しみ、そこから何を見つけたか、全て忘れてしまうと思ったためです。海外駐在という貴重な機会をとことんしゃぶり尽くすくらい糧にするには、こういうのを忘れないようにする必要がある、そのためにはできる限り記録に残しておく必要があると思っていました。そうしているうちに、仕事中に悩んだことや憤ったこと、フラストレーションを感じたことをメモするようになりました。最初はただその時の感情を書きなぐるだけ。「ムカつく」とか「ヘコんだ」とか。しかし、「これじゃあ後から読み返してもなんでムカついたのかようわからんな」と思い、次第にその時の感情に加えそれに至る経緯や、じゃあその時自分はどうすればよかったのかといった考察も合わせてメモするようになりました。この考察を書いている時にはもう当初の感情は他人ごとのようになっていて、ただの分析対象になっている。ここまで来るともはやモヤモヤやイライラはいつの間にか霧散してしまっています。この「悩みを文章化」すること、本当にオススメです。

「目の前にはただ現象しかなくその解釈は全て自分に委ねられている。」というアドラー心理学的な考え方は僕はとても好きなのですが、本書にも同様の考え方が通底しているように思います。特に最後の二節、「自分は幸せだと思えば幸せになれる」「『もうイヤだ!』ではなく『もう大丈夫!』」は、まさに自分が世の中を眺めるその見方を変えさえすれば全てが一転することを表しています。
実はそんなこと、みんな知ってるのですが、苦しい時にはついそれを忘れてしまう。自分に「見方を変えてみよう」と話しかけることや、自分を休ませること、リフレッシュさせることを忘れてしまう。若い時にはそれでも有り余る体力精神力で走り抜けられたりするものですが、若くなくなってくるとちょっとしんどい。

難しいのは、こういった自分の休ませ方やリフレッシュの仕方はその時の状況、住んでいる場所や可処分所得によっても大きく変わるし、人によって様々である点です。インドネシアではなんとか良いバランスの取り方を見つけられた僕も、日本に帰ってきてからはまだうまい方法を見つけられていません。ただ、上述したやり方を知っているだけで、「まあ自分はなんとなく大丈夫だろうな」と思えています。もしかするとこれが一番の学びかもしれません。[amazonjs asin=”B00DELXZDQ” locale=”JP” title=”会社、仕事、人間関係が「もうイヤだ!」と思ったとき読む本 (あさ出版電子書籍)”]

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