DiscReview: Sep. 2011

  1. Gui Boratto / III [Kompakt]
    今月はこれを紹介しないわけには行きません。ブラジル出身ながらまったくブラジル風味のしない素晴らしいTech House〜Progressive Houseを作るプロデューサーGui Borattoによる3枚目のアルバムが遂にリリース!1作目の”Chromophobia”も2作目の”Take My Breath Away”もそれぞれディープでダークなテックハウスがありながらもその一方で”Chromophobia”なら”Beautiful Life”や”Acrostico”、”Take My Breath Away”なら”No Turning Back”や”Colors”など激烈に美しい曲も散りばめられた珠玉のアルバムでしたが、本作”III”はこれまで異常にくらーい雰囲気が漂っていて最初はとっつきにくい気がするものの相変わらずのBoratto節炸裂で聞けば聞くほどお気に入りになるいい出来。”This Is Not The End”や”The Third”は”Not Turning Back”系、”Trap”は素晴らしいエレクトロニカ、これ以外にも地味ながら味わい深い名曲揃い。オススメです。

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  2. Max Cooper / Empirisch Remixes [Traum]
    以前はMinilogueが代表的存在だったレーベルTraumも最近はMax Cooperの存在感が目立って来ました。ということでTraumの代表的存在にのし上がったMax Cooper楽曲のリミックス集。なぜかMax Cooperの作風をRamon Tapiaのそれと同じような感じで捉えてましたが違うんですね。さて本作、ただ先日リリースされたEPのリミックス集だと思っていたら結構収録曲が多い。その多くは結構知らないアーティストによって行われているのですが(知ってるのはMoonbeamとAvusくらい)、これがまた結構いい出来。僕の好きな地味ーで暗ーいんだけれども結構キレイだったりする楽曲多しです。特に好きなのは”Solace” (Guardner Remix)。幾重にも折り重なるシンセパッドが違う世界に連れてってくれます。

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  3. Prok & Fitch feat. Juan Kidd / Star Guitar (Festival Mix) [Toolroom Records]
    先月も名曲リバイバルリミックスをいくつかご紹介しました。要は10年前くらいの曲がもはや「クラシックス」的な扱いになってその現代版リミックスが作られるという流れなんですね。うーん、もう「古い曲」扱いか……。ということでこちらは泣く子も黙る超名曲、Chemical Brothersの”Star Guitar”です。未だにChemicalのライブやDJ Setでプレイされる押しも押されぬ名曲ですが、時々リメイクされたりしながらもなかなかオリジナルを超える曲が現れませんでした。(大沢伸一さんのヤツとか……)で、そんな大名曲をProk & Fitchが料理してToolroomからリリース。確かにToolroomらしさが加わって現代風になりましたが……やっぱりオリジナルには勝てませんねえ。

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  4. Underworld / Dark & Long (Christian Smith Tronic Treatment Remix) [Tronic]
    そして今度はUnderworldの名曲Dark & Longです。これももはやクラシックスなんですねえ。映画”Trainspotting”で主人公レントンがシャブでシャブシャブになった身体からシャブを抜く時に見る悪夢のBGMです。結構前にDanny Howellsのリミックスがホワイト盤でリリースされていましたが何をどうリミックスしたのかわかりませんでした。一方Christian Smithは原曲に忠実でありながら実に今風に、使いやすく調理しています。Star Guitarほどの激烈アンセムではないですがこれはこれで名曲ですね〜。

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  5. Sasha / Cut Me Down Remixes
    先月紹介したSashaしゃまニューレーベルからの第1弾”Cut Me Down”のリミックスが早くもリリースされました。以前Beatportでリミックスパーツをばらまいてリミックスコンテストをやっていたのでその優勝者のリミックスも入っているのかなー?と思いましたが、あまりに多すぎてなんだかよくわかりません。これ、全部素人さんなんでしょうか?リミキサーの名前は聞いたことないものが多いですが、さすがSasha楽曲をリミックスし勝ち残る人々、あんまりオリジナルと変わらないじゃんってものもありますがどれもクオリティー高しです。僕のお気に入りはDays Off Remix、Dr. Avalance RemixとEpithnet Remixの3曲です。

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  6. Eric Prydz / 2Night [Pryda Recordings]
    久々に買ったEric Prydz。数年前は飛ぶ鳥落とす勢いだったEric Prydz、途中からDeadmau5と区別がつかなくなってから(僕だけでしょうか?)鳴りを潜めた感がありましたが、とはいえ自身のレーベルPrydaから淡々とリリースしてきました。そんな最近の楽曲の方が個人的には派手さがなくていい感じですが、そんなEric Prydzがリリースしたこれ、とても王道な感じのピアノプログレッシブハウスです。こういうのって下手したらダサダサになってしまうリスクを孕んでしまうものだと思いますが、そこを上手にカッコよくまとめあげてBeatport総合ランキングNo.1にまでしてしまうのがEric Prydzのスゴいところ。ちなみに最初タイトル見た時「”2 Night”? “2 Nights”じゃねーの?」なんて思いましたがトゥナイトなんですね。トゥナイト、懐かしいです。

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  7. Shur-I-Kan / Life Live [Lazy Days Music]
    鳴りを潜めていたと言えばこの人。一時期はかなりの量をリリースしていた上、リリースされる曲がどれも大好きだったので毎月5、6曲はこの人の曲を紹介していた気がしますが、ふと気づくとShur-I-Kanの曲を聞くのは半年振り。何があったんでしょうか。さて、内容はというと相変わらずのShur-I-Kan節、淡々としたハウストラックから入っていって中盤からの壮大さは鳥肌もの。うーん、やっぱりこの人いいなあ。

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  8. Supernova / Better Butter [Elegant Bit Records]
    こちらもちょっと久々Supernovaです。彼らについても曲についても特段書くべきネタもないし特段特徴が薄いのでなかなか紹介しづらいのですが、彼ららしいオーソドックスなリズムトラックの上にちょっと面白いベースラインが入ってきてついつい踊ってしまう感じの一曲です。これ一発で流れを変える!的な攻撃力はないものの、テンション維持の時間帯でもピークの時間帯でも交代前、交代後でも使えそうな万能さが評価できます。

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  9. Human Life / In It Together (Director’s Cut Signature Togetherness) [Defected]
    これだけ長いことハウスミュージック界のゴッドファーザーとして君臨しているので既に還暦超え?と思ったら実はまだ50代だったFrankieお母さん、まだまだ現役バリバリでがんばっています。Director’s Cutという名義は古くはSatoshi Tomiieのアルバム”Full Lick”からのシングルカット”Insipred”で使われていた名義で、Whitney Houstonの”Million Dollar Bill”のリミックスでもそうだったように元々はFrankie Knuckles個人の別名義だったように思いますが、最近はどうやらEric Kupperとのユニットという位置付けになってきたようです。ということで最近新生Director’s Cutとして精力的にリリースしている彼らの最新リリースであるこの曲、なんとなくボーカルがU2 / Discothequeを彷彿とさせるロックでセクシー、しかしDef Mixな感じの歌モノに仕上がっております。

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  10. Blu Mar Ten / Sweet Little Supernova [Blu Mar Ten]
    今月のドラムンベース。久々にHospital Recordsレーベル関連の呪縛から解き放たれた感じですが、ああいうアゲアゲ歌モノ系ドラムンベースも素晴らしいなあと思う一方でこういうディープテックハウス的なドラムンベースもまた好きだったりします。地味で淡々としていながらも流麗な北欧系女性ボーカルとふわふわしたシンセが深夜の部屋によく合う感じ。パーティの最後ををほんわか安らかに締めたい方向けに。

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