相対性理論を楽しむ本 (佐藤 勝彦)

以前「ネプ理科」という番組が結構遅い時間に放送されていました。僕は結構これが好きでした。
ああいう身近な「科学」をわかりやすく解説してくれる番組って、とても勉強になります。
そんなわけである晩も僕はぼけーっと「ネプ理科」を見ていた訳ですが、そこで興味をそそられたのが、ある学者さん(名はもちろん忘れた)が説明していた「月誕生の理由」の一説。

月が誕生した理由は諸説あるそうでまだどれが本当の理由かは解明できていないらしいのですが、この学者さんが説明してくれたのはその中の一説である「月は元々地球だった説」。要するに昔は月なんてなかったのだが、ある日バカデカい隕石がドーンと地球に当り、地球の結構な部分がドカーンとなってボッコリ穴があいてしまったのだそうな。「穴があく」ってことは要するに穴の部分にあった土だの岩だのがどっかに行く=宇宙に飛散するという訳なんですが、その飛散した岩石なり何なりが地球の引力によって地球の周りを漂ううちに、だんだんと互いの微弱な引力で集積され、最終的に月になったのだと。

いや、確かに月ができた理由についても興味深くはあるし、これはこれで非常に勉強になるしなるほど的な感じ。しかし、この時僕が興味を持ったのは月誕生の理由ではない別のこと、そのきっかけとなったのが、学者の言った次の言葉でした。

「ここでその岩石なりなんなりの破片が集まってある程度の大きさになると、引力が強くなるのでより一層周囲の破片を引き寄せる訳ですね。」

ん?
なんである程度の大きさになると引力が強くなるのか?それよりなんで破片が集まるのか?質量が増えると引力が強くなる?僕は昔より太った太ったってよく言われるが引力が増えてる気はしないけど?
まあそんなわけで質量と引力/重力の相関関係が僕には直感的に理解できなかったのです。で、調べてみましたWikipedia。調べて行くうちに辿り着いたのが一般相対性理論。そこに書いてあった「相対論によれば空間は時空連続体であり、一般相対性理論によるとその時空連続体が均質でなく歪んだものになる。つまり、質量が時空間を歪ませることによって、重力が生じると考える。」なんて文章読んだ瞬間ギブアップ。よくわからん。とはいえそのまま「よくわからん」で済ませるのもシャクだったのでAmazonで色々調べてみたら、結構低年齢向け相対性理論解説書も充実していることを発見、そして出会ったのがこの本でした。

総じて言えるのは、恐らく相対性理論の数学的物理学的根拠/論理背景を知るには不適ではあるが、「相対性理論とは?なぜ質量と重力が相関するのか?ほんとにリアル”Back To The Future”は可能なのか?」的なことについてのイメージを掴むには最適であるということ。さらにアインシュタイン本人や宇宙のバイオグラフィーも簡潔に俯瞰できるので、その意味で結構一石二鳥だったりします。さらにボリュームも250ページそこそこと、1~2日で読み切れるリーズナブルな量ってところもオススメポイント。

個人的には既存の速度合成の法則をなぜそういう数式で再構築したのか?とかE=MC2の数学的根拠とかについてもう少し深堀したいところではあったけれども、現時点でたかだか250ページ程度にまとめられた超入門的要約がまだ理解しきれていないので、もう少し勉強してからにしてみます。

[amazonjs asin=”4569572162″ locale=”JP” title=”「相対性理論」を楽しむ本―よくわかるアインシュタインの不思議な世界 (PHP文庫)”]


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です