僕は音楽の再生に主にiTunesを利用しています。
音楽を聞くときはもちろん、DJをする時にもiTunesのプレイリストを活用しています。そのインターフェースには賛否両論あったりしますが、僕は今のところあまり文句がありません。
しかし、文句があるとすればその音質。
その原因はファイルそれ自体にあるのかもしれませんし、スピーカーにあるのかもしれない。しかし同じファイル、同じ機材でも再生するアプリを変えさえすれば劇的に音質を向上させることも可能です。
本エントリーでは探してみると色々あるiTunes高音質化のためのアプリケーションを紹介してみます。
まず、ざっと見る限りiTunesの音質向上のためのツールは以下のようなものがあるようです。
No. | Application | Type | Price |
---|---|---|---|
1 | Volume Logic | プラグイン方式 | 販売終了 |
2 | Audirvana | 外部アプリ方式 | 有料 (15日間トライアルあり) |
3 | Audio Essential | 外部アプリ方式 | 無料(機能制限)版 有料版 |
4 | HQ_Tunes | スクリプト方式 | 無料 |
- Volume Logic
僕が初めて出会った高音質化アプリ。プラグイン方式という使い勝手の良さとドンシャリ系音質向上効果が大のお気に入りでした。しかし残念なことに既に開発終了。新しいOSの上でも動作させる方法はありどうやらMountain Lion上でも利用できるようですが、そのインストールはちょっと面倒、また日々の運用も少し厄介です。というかそもそも起動するのにシリアルナンバーが必要、でも販売は終了しているので新規ユーザが利用するのは基本無理なようです。iTunesを32bitモードで起動しないと使えないというのも玉に瑕。残念ですがもはや過去のものになってしまったと言えます……。 - Audirvana Plus
僕が現在使用中の高音質化アプリ。厳密に比較したわけではないですが、音質向上効果はVolume Logicよりもこちらの方が優れているかもしれません。素晴らしい音です。
ただし、残念なのはアプリとしてのその使い勝手の悪さ。プラグイン故iTunesが起動している時にはいつでも一緒に起動しているVolume Logicと比べ、いちいち起動しなければならないAudirvanaはやはり面倒。またAudirvanaを終了した後は、iTunesも再起動しないとなぜか音が鳴りません。さらにiTunesのプレイリストの中でチェックマークが外れているものは再生できない。もしかしたらこういった利便性は音質とトレードオフの関係にあるのかもしれませんが、そうでなければ早く改善して欲しいところです。Volume Logicがあんな状況なので仕方なくこちらを使っていますが、Volume Logicを以前のように使えるのならば僕はすぐそちらに乗り換えるでしょう。逆に言えばAudirvanaがVolume Logic的プラグインになれば鬼に金棒です。 - Audio Essential
一応紹介しますが、嫌いなアプリケーションです。
元々は”iWow”というそこそこ定番の音質向上アプリケーションでした。ただしiWowの時は音質向上というよりもエフェクトで味付けして音質の悪さを補うような印象。”Audio Essential”と名前を変えてもその印象は拭えません。僕が嫌いな理由はそんな音質だけでなく、その利用方法。Audio Essentialを利用するためには、”Soundflower”という仮想オーディオデバイスソフトをインストールする必要があること。このアプリはMacで鳴らした音をそのままMacで録音するようなシチュエーションでよく利用されます。つまり、iTunesで鳴らした音をSoundflowerに出力、Soundflowerはその音をAudio Essentailに出力、そしてAudio Essentialが内蔵スピーカー等の再生機器を通じて音を出す、という仕組みです。まあ要するに面倒なのです。音の出力はAudio Essential経由でしかしないのならまだしも、僕はDJ等の際にルーティングを変えたりするので、この方式は本当に面倒。そんなわけであまり好きではありません。 - HQ_iTunes
こちらはこれまで紹介したのとは異なる方法論で音質向上を図るものです。これは「iTunesは音楽をファイルを少しずつ読み込んで再生するよりも、キャッシュバッファにコピーしてから再生すると高音質化する」という理屈に基づくものであり、具体的にはiTunesというアプリケーションそのものを複製し、上述の再生方式で再生できるようにします。
無料なのはいいことですが、楽曲をロードするためiTunesの起動に時間がかかる上、iTunesアプリが2つになる時点で生理的にNGです。音質向上効果もそこまで高くはないらしいので、個人的にはちょっと導入を躊躇ってしまう感じです。
ということでご紹介したいくつかのiTunes音質向上策、残念ながら現時点ではベストなものが見つかっていません。個人的にはAudirvanaのプラグイン化が一番望ましいですが、アプリの方式が根本的に変わるため少々ハードルが高そうです。次善の策はVolume Logicの復活ですが、こちらも開発終了の理由が「iTunesの仕様が変わりすぎ」というものだそうなので、あまり期待できません。
何か新しい素晴らしいアプリが彗星のように現れてくれればいいのですが……。
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