初めてドラッカーの著作を読んだのは数年前、社会人2年目くらいの時に「プロフェッショナルの条件」を読んだ時でした。
その当時はようやく「自分の頭でものを考えること」「そのために必要な知識を書籍から取り入れること」の大切さを痛感し始めた頃で、その勉強の一環で多くの経営者が薦めるドラッカーの著作を読んでみようと思ったのがきっかけでした。
ただ、当時の僕にとっては、「なにによって覚えられたいか」という名言をはじめとしたいくつかの金言に感銘を受けたほかは、彼の文章は少々概念的で難解だったように記憶しています。
それ以来、ドラッカーからは遠ざかっていました。難解な文章に対するトラウマが残っていたというのが大きな理由ですが、一方で著作が多くて、さらにどれも内容が似通っていてどこから手をつけていいかわからなかったというのも一因です。
しかし、昨今「もしドラ」をはじめとして巷でまたドラッカーブームが再燃している模様、そのブームに触発されてちょっとまた読んでみようと思いました。
そこで手にとったのが本書。
本書はドラッカーが多くの著作で語っている様々な金言をピックアップし、まとめたもの。
言ってみれば「超訳ニーチェの言葉」のドラッカー版。
ひとつひとつの文章をピックアップし、その教訓に対して「とるべき行動」と「身につけるべき姿勢」を簡単にまとめ、解説を加えるというスタイルは確かに非常に読みやすい形式ではあります。
ただ、一方で感じるのは昔感じた難解さが驚くほど少ないこと。
「実はそもそもドラッカーのメッセージがシンプルだった!」てのがことの真相かもしれませんが、それにしても1ページ1ページが軽すぎて逆に頭に入ってこない。
なんだか「12時間でMBAの授業のエッセンスが学べる!」と謳ったマイロ・ソベルの著書「MBAの授業」みたい。
PPMとか経験曲線とか6シグマとか色々なキーワードを単語レベルでは紹介しているけれども、PPMがどういうバックグラウンドで何を目的として開発されてどういう風に応用できてどういう使用法に注意しなきゃいけないか、ってのは学べない。くだらん試験用にキーワードとその20字解説を学ぶだけ、的な。
ということでドラッカーの著書は非常に多彩で難解ですが、恐らくこういう「かいつまんで咀嚼して食べやすくした要約系」よりも原著(英語の原著とまでは言いませんが)を読んでみるのが一番と思いました。
[amazonjs asin=”4478003343″ locale=”JP” title=”プロフェッショナルの原点”]
コメントを残す