海外でのiPhone利用方法。(インドネシア編)

何度かこのブログのエントリーでも書いていますが、最近ぼちぼちジャカルタに出張に行っています。
以前はただSoftbankの海外ローミングを使ってiPhoneを使っていました。
もちろんパケット定額の対象外だった以前に比べて1日1,500円でデータ通信し放題というのは有り難いプランではありますが、とはいえ5日ほど使おうものならそれだけで7,500円、月々の使用料が普段の倍近くになるのはやはりそれなりの痛手です。

そんな中、実は最近SIMフリーのiPhoneを入手したので前回の出張時に現地SIMカードを使ってみました。
今回はその方法も含めた「海外での携帯電話の使い方」について、iPhoneを中心にちょっとまとめてみたいと思います。


海外で携帯電話を使う際、まず「どの端末を使うか」、もう少し厳密に言えば「どのSIMカードを使うか」を決めるのが第一歩です。
その方法は下記の通り。主に「日本で買ったSIMロック端末を持っていくパターン」「日本で買ったSIMフリー端末を持っていくパターン」「海外で端末を買うパターン」の3種類です。

端末 キャリア
(SIM発行元)
利用方法
日本で買ったSIMロック端末 日本のキャリア A) 海外パケット定額の利用方法
日本で買ったSIMフリー端末 海外のキャリア B) 現地キャリアのSIMカード利用方法
海外で買った端末

なお、先述の通りここではiPhoneの利用を前提に海外パケット定額の利用方法や現地キャリアのSIMカード利用方法を解説するため、上表中の「日本のキャリア」はSoftbankであり、「海外パケット定額」はSoftbankの「海外パケットし放題」サービスの例となります。


A) 海外パケット定額の利用方法
iPhoneを始めとするスマートフォンは、何もしてなくてもメールの確認や位置情報の取得等のために常にパケット通信をしています。このため、月々のパケット通信料は数十万円から数百万円に及ぶのが普通です。ただし日本国内で利用する分には必ず「パケット定額プラン」に加入しているため、毎月のパケット通信料は数千円に収まります。
しかし、海外で利用する場合、以前はこのパケット定額プランが適用されませんでした。このため、「機内モード」等でパケット通信機能をオフにしない限り勝手に端末はパケット通信を行ってしまい、帰国してみると「1、2回通話しただけなのに100万円も請求された!」という状態に陥るユーザが一部いらっしゃいました。今や死語ですが、これが俗に言う「パケ死」ですね。
このような事態に対するユーザからの苦情を受け、Softbankが始めたのがこの「海外パケットし放題」サービスです。これは、Softbankの指定する各国のキャリア網を通じてパケット通信すれば、1日1,480円でパケットし放題になるプラン。このサービスの導入により、パケ死するユーザは大きく減少したと思います。
逆に言えば、渡航先でちゃんと「Softbankの指定したキャリアを利用する設定」をしないと、依然としてパケ死の可能性は残っています。
ここではこの設定方法をご紹介します。

・日本出国前

  1. 機内モードにする
    「設定」→「機内モード」をオンにする。

・渡航先入国後

  1. 利用キャリアを設定する
    「設定」→「キャリア」→Softbankが指定するキャリアを選択する。

    • インドネシアでは海外パケットし放題の対象キャリアは「XL」という事業者になるので、表示されたリストから「IND XL」を選択しています。
    • なお、海外パケットし放題は「1日1,480円」ですが、この「1日」の基準は日本時間になります。例えば、インドネシアは日本との時差が2時間あるので、現地での22:00が日本での0:00になります。このため、インドネシアで21:00から23:00まで使った場合、利用時間はたった2時間ですが日本時間では23:00から翌日1:00までの利用になるため2日分の料金が請求されてしまいます。ご注意ください。
  2. データローミングをオンにする
    「設定」→「一般」→「ネットワーク」→「データローミング」をオンにする。

    • 時々「データローミング」をオンにしてもネットワークに繋がらない時がありますが、そんな時はiPhoneを再起動してみましょう。
  3. タイムゾーンを変更する
    「設定」→「一般」→「日付と時刻」→「自動設定」をオフにした後、「時間帯」をタップし、都市を検索して選択する。

    • 多分タイムゾーンはネットワークに接続したらiPhoneが勝手にやってくれると思うので不要だと思いますが、僕は心配なので毎度手動設定しています。
  4. カレンダーのタイムゾーンを変更する
    「設定」→「メール/連絡先/カレンダー」→「時間帯サポート」→「時間帯」→都市を検索して選択する。

    • これ、結構重要です。現地での予定等をカレンダーで管理しているとなんか違和感、よく見ると日本時間だったりします。カレンダーの時間帯サポート設定はiPhone本体の時間帯サポート設定とは異なるので、こちらも必要に応じてしっかり設定変更しておきましょう。

以上で現地で快適にインターネットが使えるようになります。

・帰国後

  1. 利用キャリアを戻す
    「設定」→「キャリア」→キャリア設定を「自動」にする。

    • 帰国後はちゃんとキャリアの設定を元に戻しておきましょう。これを怠ると海外キャリアを使い続けることになり、パケ死する恐れがあります。
  2. データローミングをオフにする
    「設定」→「一般」→「ネットワーク」→「データローミング」をオフにする。

    • 上述した帰国後パケ死のリスクをなくすために、「データローミング」はオフにしておきましょう。

B) 現地キャリアのSIMカード利用方法
Softbankの参入によって日本の携帯電話利用料金もだいぶ安くなりましたが、海外に比べたらまだまだです。
例えば、インドネシアでは14日間パケットし放題のプランが約500円(Rp.50,000)だったりします。運良くSIMフリー端末をゲット出来たり自分で工夫して端末をSIMフリー化させることが出来る人は是非現地のSIMカードを使いましょう。
また2011年4月1日以降に発売されるドコモの携帯電話は順次SIMフリー対応していくようです。この対象となっている端末をお持ちの方は、渡航時に現地キャリアのSIMカードに差し替えればそのまま現地キャリアを現地料金で使えるようになります。
ただ、現地キャリアのSIMカードを使うと言ってもどこで買えばいいのか、いくら払えばいいのか、などなどわからないことだらけ。そんな方のためにここではインドネシアでの事例をご紹介します。
僕が利用しているのはTelkomselというキャリアのプリペイドSIMカード「simPATI」なので、ここではsimPATIの利用方法についてご紹介。

・SIMカード調達場所
SIMカードは結構色んなところに売っています。手っ取り早いのはスカルノハッタ国際空港で預けた荷物が出てくるターンテーブル前にある売店。ここは手数料もそんなに高くないので、ひとまずここで買ってしまうのがオススメ。ここで買いそびれても、大きなホテル(Shangri-LaやKempinskiなど)のビジネスセンターや、Grand IndonesiaやPlaza Indonesiaなどショッピングモール内に売っています。Grand Indonesiaの場合はWest MallのLGにあるカメラ屋さんで売っていました。

・SIMの種類・料金
インドネシアでは携帯電話事業者が結構たくさんあります。

なかでも最も繋がりやすいのはインドネシアのDoCoMoとでも言うべきTelkomselです。ちなみにXLはSoftbankの海外パケットし放題指定キャリア、Hutchisonは香港の会社のようですが、どうやら世界中で使えそうなのでいろんな国に行かれる方にはいい選択肢かもしれません。
さて、僕が選んだのはTelkomselでした。TelkomselのプリペイドSIMカードは「simPATI」という名前の商品で、これが最もポピュラーなようです。(「最も」かどうかはわかりませんが、大体のお店にsimPATIとsimPATI用リチャージカードが売っています。)
simPATIの購入費用は大体50円(Rp.5,000)程度で、SIMカードのアクティベートはその場でお店の人がやってくれる場合がほとんどです。ホテルのビジネスセンターでも頼めばやってくれます。

・トップアップの方法
購入したsimPATIはプリペイド方式なので、事前に料金を払い込まなければなりません。
そのために巷のお店でリチャージカードを購入します。このリチャージカード、裏面のスクラッチの下にシリアルナンバーが記載されており、このシリアルナンバーをSMS等でキャリアに送信することによって相応の度数(インドネシアでは度数のことを「プルサ」と言います)を補充します。
具体的に説明しましょう。

  1. まずはリチャージカードを買ってきます。
  2. 裏面のスクラッチを剥がして現れたシリアルナンバーを確認。
  3. 「電話」アプリケーションを起動し、キーパッド画面から「*133*(シリアルナンバー)」を入力して「発信」ボタンを押します。

以上でトップアップ完了です。
なお、上記の画面にある通り、プルサには有効期限があり、有効期限内にプルサを使いきらなかった場合消えてしまいます。その場合はまたプルサをトップアップしましょう。
また、最初はいくら分くらいプルサをトップアップすればよいのかわかりませんでしたが、ほとんど通話しないならRp.100,000分程度あれば十分だと思います。

・パケット定額プランの申込方法
先ほど「ほとんど通話しないならRp.100,000分程度あれば十分」と言いましたが、これには前提条件があります。それがパケット定額です。パケット定額プランに申し込んでおかないとRp.100,000分のプルサもあっという間になくなってしまいます。
逆に、パケット定額プランに申しこめば14日間ならたったRp.50,000分で使い放題です。ということで是非申し込みましょう。(※2011年5月現在の情報です。Telkomselはこの定額プランを随時更新していますので、一度後述する「*363#」にアクセスしてメニューと料金を確認してみてください。)

  1. まずは「電話」アプリケーションを起動し、キーパッド画面から「*363#」と入力して「発信」ボタンを押し、メニュー画面を起動します。
  2. このようなメニュー画面が表示されます。「1. Unlimited Harian」は1日パケット定額、「2. BB」は恐らくBlack Berry用のプラン(インドネシアではBlack Berryが超流行ってます)、他にも色々ありますが、ここでは「4. Flash Unlimited」を選択します。選択する時は、「返信」ボタンを押すと表示されるこの画面で、選択したいメニューの番号を入力して右上の「返信」ボタンを押します。
  3. 次に料金プランの画面が表示されます。「1.Rp 50rb/14hari」は”50 ribu repiah / 14 hari”のことで、つまり「Rp.50,000 / 14days」ということです。14日間パケットし放題で約500円のプラン。2や3も同様で、30日間パケットし放題でRp.100,000のプランとRp.200,000のプランがあります。30日間の2プランの差は、通信速度です。安い方は384Kbps、高い方は512Kbpsです。多分倍の料金を支払う価値はあまりないと思いますが……。
  4. 先ほどと同様の手順でプランを選択すると、このような確認画面が表示されます。問題なければ「1」を返信しましょう。
  5. なお、この時点で選択したプランの利用に必要なプルサが足りない場合、こんなSMSが送られてきます。要するに「金足んねーよバカ」です。おとなしくチャージしましょう。

    うまくいくとこんなSMSが送られてきます。

    ちなみに「Maaf」は「Sorry」、「Terima Kasih」は「Thank you」なのでこれだけでなんとなく意味がわかります。

以上でパケット定額プランの申し込みは完了です。30日間フルで使っても1,000円。Softbankの海外パケットし放題の場合は45,000円なので雲泥ですね。是非SIMフリー化して現地SIMを使ってパケット定額プランに申し込みましょう。

・プルサ残高の確認方法
最後に、プルサの残高確認方法をご紹介します。
これは非常にカンタン、「電話」アプリケーションのキーパッド画面で「*888#」と入力して「発信」ボタンを押すだけです。コンマ5秒ほどでこのような画面が表示され、プルサ残高と有効期限を教えてくれます。

なお、ここまでにご紹介した色々なコマンドはどうやらキャリアに依存するようです。つまり、TelkomselのSIMを使っていれば端末がiPhoneだろうがBlack Berryだろうがプルサの確認は「*888#」。逆にiPhoneを使っていても他の会社のSIMであればこのコマンドは別のものになるようです。未確認ですが。

以上、長くなりましたが海外での携帯電話の利用方法のご紹介でした〜。


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