オレ流海外出張手配術。

海外赴任をして以降、日本に戻ってきてからも海外出張や旅行によく行きます。以前は、少なくとも会社の出張の手配は旅行代理店に依頼していましたが、最近はほとんど自分でやるようになりました。プライベートの旅行でも、ツアー会社等を使うことはまずありません。
恐らくこの理由は、「インドネシア駐在中に旅行や出張に行き始めたから(そもそも旅行代理店等があまりない環境だったから)」という点と「インターネットが普及した時代に行き始めたから(昔にあったであろう手配の苦労を知らないから)」という点あたりだろうと思いますが、少なくとも現時点では何度も旅行や出張に行っているものの個人手配にことさら苦労を感じたことは一度もありません。
他の多くの業界と同様、インターネットは仲介業者をどんどんスルーしていきます。ほぼ全てのことがインターネットを利用して自分で手配できる昨今、もはやツアーで買える安い航空券や宿泊という面しか、旅行代理店やツアー会社の価値はないのではないでしょうか。

その一方で、自分だけで色々手配するのもそうラクではありません。例えばフライトについて、出発地から目的地まで直行便ですんなり行ければ問題はないのですが、経由便しかない場合はどの空港を経由して、出発地と経由地間、経由地と目的地間にどのようなエアラインがどういう時間にフライトを飛ばしているのか、チェックして旅程を組む必要があります。他にも、宿泊先はどういう場所にあって値段はいくらくらいか、ユーザの評価は高いか、などなどを調べた上で手配していくのは、慣れるまでは大変です。

実際はこういう苦労を解消してくれるサービスが世の中にどんどん現れてきてはいるのでしょうが、なかなかそれらは日々の生活では目に入ってこないもの。そういう便利なサービスの発掘も少々骨が折れる話です。

というわけで、同じような悩みを持つ方のために、本エントリーでは僕が普段使っているサービスをご紹介したいと思います。

  1. フライトの手配
    1. フライトの検索;Fly Team
      普段行き慣れているところであれば問題ありませんが、首都圏で電車で移動する場合にも「A駅とB駅の間には何線が走ってるんだっけ?」と考えこむことは時々あると思います。それは空の移動でも同じこと。ただ、空路検索が路線検索と違うのは「乗り換え案内」のようなサービスがあまりないこと。Expediaなどのフライトチケット検索サービスで調べることもできますが、検索結果にはなんだか格安だけど何回もの乗り継ぎと何時間もの乗り継ぎ待ちを強いられるプランも数多くの混ざっていて、正直これまでこれらのサービスを便利だと思ったことがあまりありません。
      Fly Teamは、まるである駅の電車の時刻表を表示するように、ある空港のある路線の時刻表を表示してくれます。例えば、「成田 – ジャカルタ」という路線を選べば、成田ジャカルタ間を飛んでいるエアラインと便名、各便の出発時刻が一覧表示されるので、どういう選択肢があるのかを掴むことができます。
    2. フライトの手配;エアライン各社のウェブサイト
      FlyTeamで乗りたい便を選んだら、あとはエアライン各社のウェブサイトでフライトを手配します。値段だけを考えればツアー会社のパッケージの方が安いかもしれませんが、ホテルなど余計なものがついてこないし、フレキシブルだし、24時間手配可能だし、問題があった時の問い合わせ先が明確だし、その対応も早いので、直接手配の方がいいのでは?と個人的には思っています。
  2. 宿泊先の手配;Agoda
    海外旅行/出張であっても宿泊先を自分で手配するのはもはや多くの人が既にやっていることだと思います。この分野にはhotels.comやExpediaなど名だたるサービスも色々ありますし。そんなサービスの中でも僕がよく使うのはAgodaです。値段が安くユーザレビューなどの機能も充実しているのもさることながら、そのポイントサービスゆえに僕はまんまとこのサービスに囲い込まれています。自分以外の人の宿泊も手配できるので、例えば自分は全く関係ない両親の旅行であっても、親切心をチラつかせて宿を手配してあげることでまんまとポイントを稼ぐことが可能です。当たり前ですが、そのポイントは次回の手配の際にディスカウントとして使えます。レビューを書くことでもポイントが貯まるので、せっせとレビューも書いています。
  3. 旅程の管理;Tripit
    フライトと宿泊先を管理した後、僕はその情報をiCloudのカレンダーに移しておきます。どちらの予約情報も確認のメールが届くのでそれを見れば内容は確認できるのですが、やはりフライトの便名、出発時刻、到着時刻、宿泊先への移動時間とチェックイン時間といった情報をタイムライン上で一覧したいため、わざわざカレンダーに情報を移しておきます。
    今まではフライトやホテルの情報を手作業でカレンダーに書き込んでいましたが、最近はこのTrip Itというサービスを使っています。これは航空会社やホテルから送られてくる確認メールを転送するだけで、その内容を解析して自分の旅程表を作ってくれるサービスです。メールをいくつか転送するだけで(件名や本文の入力は不要なので、この転送作業自体も数秒程度です)、いつの間にか旅程表ができている上、ホテルと空港の距離から想定チェックイン/チェックアウト時刻等も旅程表に書き込んでくれるのが便利なところ。CalDav形式での出力も可能なので、この情報を購読/subscribeするだけで一瞬でiPhone/iPad/Mac側にも取り込めます。フリー版では機能が制限されているようですが、今のところフリー版であってもだいぶ重宝しています。
  4. 荷物の管理;Packing Pro
    まだあまり出張や旅行になれていなかった頃は、持っていく荷物を頭の中で思い浮かべて荷造りをしていました。しかし、絶対に毎回何か忘れます。この対策として、ちゃんと持って行くべきアイテムをリスト化することにしました。しかし、そもそもリスト作成の段階でアイテムが漏れていて、やっぱり忘れます。リスト作りの段階で記憶に頼っているからです。そこで登場するのがこのアプリ。
    予め自分の所有物を目録として登録しておけるので、リスト作りの作業はそこから必要なものをピックアップするだけ。もう「頭の中でも必要なアイテム自体を思い浮かべる」ということは必要ありません。ただ、表示されたアイテムリストの中から「どのアイテムが必要か」を考えるだけです。僕の場合は、「服(ビジネス)」「服(カジュアル)」「デジタルガジェット」「トイレタリー用品」「遊び道具」というような具合にカテゴリーを分けていて、「服(ビジネス)」の中には「スーツ」とか「シャツ」とか「ベルト」などのアイテムが並んでいます。そこから必要なものをピックアップして、持って行くべきアイテムのリストを作成します。なお、リスト作りの際には過去の旅行や出張で使ったリストをテンプレートとして使えるので、毎回ゼロからリストを作成する必要もありません。
    ちなみに、最初に自分の持ち物を目録として登録しておかねばならないところがこのアプリの面倒なところですが、それさえやってしまえば後は忘れ物とは無縁の生活が送れます。

上述したようなものと同じようなサービス、もっと便利なサービスはおそらく世の中にたくさんあるのだと思いますが、やはり日常生活の中でそのサービス名を目にする機会はあまり多くないように思います。もし「そのサービスよりこっちの方が便利」とか「このサービスは使わんの?」というご意見があれば是非教えてください!

続・オレ流モジュール収納術。

以前「オレ流モジュール収納術。」というエントリーを書きました。
これは収納をそれぞれ小さなまとまり=モジュールにすることによって整理がしやすくなったり掃除がしやすくなったりする、というアイデアですが、最近自分のデスクの上もうまく整理できてきたように思うので、今回はちょっとその辺をご紹介してみます。今の状態になってからとてもデスクの上がすっきりしたのと、且つ掃除がしやすくなったのでかなり満足しています。

僕の机の上について説明する前にちょっと僕のライフスタイルについて説明を。
僕は、自宅にいる時は基本的に寝ている時以外ほぼずっとデスクの前にいて、パソコンを使って音楽を聞いたり映画を観たりしています。ご飯もここで食べます。ですので、「そもそもパソコン持ってない」とか「デスクはなくてちゃぶ台だけ」といったライフスタイルの方にはあまり参考にならないと思います。あしからず。

  1. パソコン関連アイテム

    まずはパソコン関連アイテムのまとめ方です。僕が使用しているのはMacBook Pro Retina 15” (Mid 2012)ですが、これをクラムシェルモードで使うのがここでの最大のポイントです。あまり面白みのない話ですが。
    そもそも、DJ等のためにパソコンを外に持ち出すシーンが僕の生活には少なからずあるため、以前はiMacとMacBook Proの2台使いをしていました。しかしその2台の間のデータ同期が面倒なのと、昨今はラップトップでも十分なスペックがあるため、現在はラップトップ1台のみに移行しています。ラップトップ1台とは言え、机の上で開いているラップトップは思いの外スペースを消耗するものです。MacBook Proの場合トラックパッドの横のスペースやスピーカの部分は単純に不要ですし、MacBook Proを開いている状態ではその向こう側のスペースは完全に物置になります。先述の通り、僕はほぼこのデスクで生活しているので、デスクの上には他のアイテムも置きたいし、ここで食事するスペースも欲しい。これを実現するのに必要なのが、クラムシェルモードです。
    クラムシェルモードとは単純に外付けのディスプレイやキーボードを取り付けることによって、ラップトップを閉じた状態で使用することです。従ってクラムシェルモードにすればラップトップが専有していたスペースは結構空くと。
    このクラムシェルモードを導入するためには当然外付けディスプレイやキーボード、マウスが必要になります。僕がクラムシェルモードに移行する際に選んだアイテムは下記の通りです。

    • ディスプレイ
      外付けのディスプレイにはEIZO社のEV2436W-Zをチョイスしました。選定理由は手頃な値段でハイスペックなIPSディスプレイが欲しかったこと、また画面サイズがWUXGAであること、の2点。本音を言えばApple Thunderbolt Displayが欲しいのは山々ですが、いかんせん値段が高い。このEIZOのディスプレイはThunderbolt Displayの半額くらい、この価格差は大きいです。
      さて、本製品をここしばらく使用していますが、非常にいいです。唯一の難点はHDMI端子がないことですが、MBPとはDisplayPortで繋げられるのでApple TV等を持ちだしてこない限りは問題なし。画面のポジショニングの柔軟さ&簡単さも、以前使用していたApple Studio DisplayやアルミiMacに比べて圧倒的に素晴らしいです。[amazonjs asin=”B00EQLQ6ZM” locale=”JP” title=”EIZO FlexScan 24.1インチ カラー液晶モニター ( 1920×1200 / IPSパネル / 6ms / ブラック ) EV2436W-ZBK”]
    • キーボード&マウス
      これもないと話になりませんね。こちらは奇をてらわずにApple純正製品を。Apple Wireless Keyboard (US)Apple Magic Trackpadを使っています。[amazonjs asin=”B005DPEZ4Y” locale=”JP” title=”Apple Wireless Keyboard (US) MC184LL/B”][amazonjs asin=”B003XKO2LW” locale=”JP” title=”Apple Magic Trackpad MC380J/A”]
    • MBP用のスタンド
      クラムシェルモードで運用するからには、閉じた状態のMBPをどこかにしまっておかなければなりません。そのためにはスタンドが必須です。巷では「まな板立てで十分」という声も耳にしますが、僕は一応専用スタンドBookArc for MacBook Pro V2を使っています。ちなみにこのスタンドは非Retina MBPとRetina MBPの両方に対応するのですが(旧製品のBookArc for MacBook Pro V1はMBP Retinaには対応していないので注意してください)、僕のSeeThru for MacBook Pro Retina 15″を装着したMBPは非Retina機用アダプタを使うとジャストサイズで収まります。[amazonjs asin=”B009EM9ORU” locale=”JP” title=”Twelve South 正規代理店品 BookArc for MacBook Pro V2″]
    • USBハブ
      最後にUSBハブです。USBハブは必須アイテムではありませんが、そもそもMBPは左右に1つずつしかUBS端子がなく、さらにその両側にUSBを挿すと横幅が大きくなってしまい、クラムシェルモードで閉じた状態のMBPをうまくしまうのが難しくなります。さらにそもそもMBPは閉じた状態でディスプレイの裏に追いやってしまいたいため、その状態ではUSBケーブルの抜き差しがかなり面倒になる。このため、USBハブはあった方がいいと思います。
      僕が使っているのは最近人気のブランド「Anker」のこれ。USB3.0対応であること、MBP等と馴染むデザイン、手頃な値段などの理由から選びました。モバイル用のコンパクトさはありませんが、むしろデスクの上に常設するにはこの形がベター。底部にはベルクロのシールを付けられるようになっているので、デスク上にしっかり固定することも可能です。[amazonjs asin=”B00IJ1IIAQ” locale=”JP” title=”Anker USB3.0 高速ハブ 4ポート USB3.0ケーブル付き(60cm) アルミ製 ポータブルバスパワー 85 x 45 x 27mm USB1.1/2.0互換 日本語説明書付き (4 ポート 電源なし)”]

    これらのアイテムがひとしきり揃えば、ディスプレイの裏にMBPを隠し、デスクの上にはキーボードとトラックパッドだけ、というかなりスッキリした状態になると思います。

  2. 音楽関連アイテム

    僕のデスクの上にあるアイテムで次に多いのは音楽関連です。と言ってもスピーカーとDJ機器ですが。これらのアイテムはデスク上の収納具合を考慮して選んだわけではありませんが、結果としてコンパクトにまとまっているのでついでにご紹介します。

    • スピーカー
      スピーカーは、YAMAHAの定番モニタースピーカー「テンモニ」ことNS-10Mの後継機種であるHS50Mを左右に各1台置いています。シンプルなデザイン、味付けのない音質、サイズの割にパワフルな音量が気に入っています。白いコーンもそれっぽいですしね。[amazonjs asin=”B000E63RY6″ locale=”JP” title=”YAMAHA パワードモニタースピーカー HS50M”]
    • DJ用コントローラ
      DJ用コントローラは、ミキサー兼オーディオインターフェイスとしてTRAKTOR KONTROL Z1を、その他のコントローラとしてTRAKTOR KONTROL X1(まだMk1)を使っています。これらの機器に至った経緯はこちらのエントリーに書きましたが、この2台はお手頃価格かつコンパクトにもかかわらず、僕がDJ中にやりたいことはほとんどできるので本当に重宝しています。ちなみにMBPとZ1の間は先述したUSBハブを介して、Z1とスピーカーの間はオヤイデのケーブルPA-02DJで接続しています。[amazonjs asin=”B00DCP4O6Q” locale=”JP” title=”Native Instruments 2チャンネル式ミキシング・コントローラ TRAKTOR Kontrol Z1″][amazonjs asin=”B0031FGBOA” locale=”JP” title=”NATIVE INSTRUMENTS TRAKTOR KONTROL X1″][amazonjs asin=”B003WOFQDM” locale=”JP” title=”オヤイデ DJ専用ケーブル (RCA-RCA)1.0mペアPA-02DJ/1.0″]

    ディスプレイの横にスピーカーを配置、デスク手前のスペースの端にDJ用コントローラ2台を置いています。これらのアイテムが占めるデスク上の面積は概ね6割程度なので、つまり後の4割は好きに使える感じです。デスク手前にあるアイテムたち、2台のDJ用コントローラとキーボード、トラックパッドはどれも小型でカンタンに動かせるので、掃除の時はとてもラクです。

  3. その他のアイテム

    パソコン関連アイテムと音楽関連アイテムが僕のデスク上にあるアイテムのほとんどですが、一方で一日中このデスク前で生活している僕にはもう少し色々と必要になるアイテムがあります。そのあたりの収納方法も少々ご紹介。

    • ティッシュボックス
      このティッシュボックスは超画期的だと個人的には思います。市販の箱入りティッシュをここに入れるだけでインテリア的にかなりナイスな感じになるだけでなく、ティッシュボックスを立てて置く形になるのでスペース節約にもなる。そしてこのリモコンポケット&上面トレイの便利さは本当に優秀。リモコンポケットにはエアコンのリモコンやメガネを収納し、上面トレイには腕時計などを置いていますが、この辺の小物がまとまるだけでかなりデスク上がすっきりする上、これらの小物をまとめてどかせるので掃除がラクになります。[amazonjs asin=”B005UJ1H8A” locale=”JP” title=”smart リモコン&ティッシュケーススタンド スマート ホワイト”]
    • 机の下のスペース
      引き出しでもいいのですが。僕のデスクの天板の下には「前面に引っ張り出せないキーボード用トレイ」のような、中途半端な引き出し風スペースがあります。文房具や、頻繁には使わないスキャナやケーブルなどのアイテムは無印のPPボックスを活用してこのスペースに収納しています。このスペースがないとそれらのアイテムはデスク上に置くか、さもなくば他の収納スペースにしまわなければならないので、やはり机の下のスペースはとても重要です。構造上掃除しにくいですが。
    • ケーブル収納ボックス
      厳密に言えばこれはデスク上のアイテムではありませんが、かなり重宝しているのでご紹介。これまで悩んでいたのは電源ケーブル周りのぐちゃぐちゃ感や、インターネットのモデム周りのぐちゃぐちゃ感。このぐちゃぐちゃ感から僕を解放してくれたのがこのケーブル収納ボックスです。現在はこれを2つ使っています。片方のボックスにはFlet’s光のモデムとApple Time Capsuleを。電源タップとこれらを一緒にしまうと、この箱から出ているケーブルは電話線と電源タップのケーブルの2本だけなのでかなりスッキリです。もう片方のボックスには大きめの電源タップが入っていて、ここまでにご紹介してきたデスク上の各種アイテムの電源はここから供給されています。このボックス導入により、これまで埃が溜まりやすくかつ掃除がしにくかったケーブル周りの掃除が圧倒的にしやすくなりました。見た目もスッキリするので本当にお薦めです。[amazonjs asin=”B005B7IBRQ” locale=”JP” title=”ELECOM ケーブル収納ボックス 6個口電源タップ収納 ホワイト EKC-BOX001WH”]

以前のエントリー「時間を有効活用するための7つのコツ。」に書いた通り、最近テレビを見なくなりました。それによって膨大な時間があまりましたが、今はその大半が掃除に投下されている状況です。そんな掃除も上記の工夫によってどんどんラクになってきました。後はこの余った時間が勉強や運動に活かされれば言うことないのですが……。

新聞というメディア。

岩瀬大輔さんのブログが発端でしょうか、少し前に新聞の是非に関する議論がウェブ上で散見されました。新聞については僕も少し思うところがあるので、便乗して書いてみます。

正直、現在僕は新聞を読んでいません。

僕の記憶が正しければ我が家は新聞好きの一家で、僕以外の家族は全員新聞に目を通していました。僕もその中で新聞を読むことを何度か勧められたり強要されたりしましたが、社会人になるまで一向に読むことはありませんでした。
新聞を読むようになったのは確か入社2、3年頃、この本をきっかけにして色々なことを学ぼうと思ってからだったと記憶しています。日経新聞を購読し、毎朝通勤電車の中で読むようになりました。
時々出くわす一部の記事を除いて、記事の内容を面白いと感じたことは一度もありませんでしたが、スマホが全盛ではなかった当時新聞は通勤電車の中のいい暇つぶしでした。新聞や本を読み始めてしばらく経ってから、次第に闇雲なインプットを志向する時期から徐々にアウトプットを意識し始めるようになるにつれて、新聞や本を読んで何を学んだか、考えるようになりました。

「今日、新聞を読んでどんな学びがあったか?」

何度かこの問いを自分に投げかけてみましたが、殆どの場合その答えは「なにもない」でした。
記憶に残っているのは一部の政治ネタ。興味はありませんが、大体一面を飾っているのはこういった記事です。誰が失言したとか、ナニナニ党とナニナニ党がくっつくようなくっつかないような話をしたとか。
よく考えると、僕は依然として、新聞の中身に興味を持っていませんでした。政治の話は大半が上述したような政治ゴシップ、経済の話もその多くは自分の仕事に直接的な関係はありません。月に一度くらい見かける経済面の興味深い企業動向や「私の履歴書」など、一部の面白いコンテンツもありましたが、そのために月5,000円近く、年60,000円近く払うのは明らかに無駄だと思いました。

それに気付いた時、たちどころに新聞の購読を止めました。それ以来、新聞はほとんど読んでいません。
ちなみに気が向いた時に、周囲の人々(会社の同僚など主にビジネスマン、上の世代が多い)に話を聞いてみても、「新聞から毎日学びを得ている」という人には未だ出会ったことがありません。

なぜ僕が新聞を読まなくなったのか、それを一言で言えば、「費用対効果が低い」ということです。

もちろん新聞というメディアには依然長所や便益もあると思います。このようなプッシュ型メディアは半ば強制的にインプットを促すので情報収集の漏れを防ぐことができますし、また紙という媒体は一覧性が高く、速読しやすい。
ただ、残念ながら昨今の「マスメディア」は文字通りターゲットが「マス」であるが故に、様々なターゲットに訴求するコンテンツを取り揃えるため、もしくは最大公約数のターゲットに刺さるコンテンツを拡充するため、結果的にほとんどのコンテンツが個々のユーザには刺さらなくなっているように思います。
おそらく、この記事を書いている現在であればSTAP細胞を巡る一連のスキャンダルについて連日報道されていると思いますが、現時点で既にただのワイドショーネタにしか過ぎず、学ぶべき点は何一つありません。こんなニュースはYahoo!等で無料で読めばいい。

一方で、僕が欠かさず読んでいた新聞もありました。
インドネシアに駐在していた時期に読んでいた「じゃかるた新聞」と時事通信や共同通信のインドネシア版です。当時の僕にとって、地域の情報や政治経済に関するニュースは、それらがインドネシアに関連する限り全てが興味分野でした。このため、これらの地域メディアに掲載される記事のほとんどは深い浅いの程度はあれどほぼ全てが自分の興味の範囲に入っていました。じゃかるた新聞の購読料は当時月額3,000円ほどだったと思いますが、ほぼ無料のネットメディアに比べて依然高額なこの購読料を払い続けていたのは、やはり費用対効果が自分の中で折り合ったからだと思います。

では今後新聞はどうなって行くべきか。

少なくとも、顧客群を「マス」として一括りに扱うのは止めた方がよさそうです。特定の顧客セグメントへのフォーカスは紙媒体では固定費の都合上困難ですが、ウェブ媒体ならば可能なはず。
また商品構成を1つのパッケージから個々の記事に分解し、それを顧客セグメントごとに再構成することが必要だと思います。
こうした上で、各顧客セグメントの興味分野ごとに記事をパッケージングする。その際の軸は、例えば下記の3点。

  1. 業界
  2. 地域
  3. インパクト

業界はある程度細かい粒度で設定できるようにします。「製造業」と一口に言っても自動車産業と製紙業では興味分野がかなり異なると思われるからです。地域は国単位を基本としつつ、「APAC地域」などある程度の国家のまとまりも設定可能に。インパクトは、そのニュースが業界にもたらすインパクトの大きさです。業界トップ企業ないし業界全体を左右するような大きなニュースのみピックアップするか、もう少し小さな動きもピックアップするか。
購読者はこの3軸で自分のバスケットに放り込むニュースを選択し、新聞社はそのバスケットに対してニュースの本数には依らずに定額課金する。なお、このバスケットから漏れたニュースも顧客に対してはレコメンドされますが、その記事を読む際には記事ごとに課金が発生します。
また、こうしたニュース系ウェブメディアには過去記事アーカイブは必須です。ただ自分のバスケット内の記事アーカイブしか選択できないというサービスは使い勝手がよくありません。基本的にニュースは即時性が価値なので、例えば「1ヶ月よりも前に配信された記事は無料でアーカイブの検索、閲覧が可能」「1ヶ月以内に配信された記事はアーカイブの検索のみ可能、閲覧はバスケット内記事ならば無料、バスケット外記事ならば記事ごとに課金」というやり方であれば購読者の利便性と新聞社の収益を両立できるのではないでしょうか。

上記はただのアイデアなのでこのビジネスモデルに瑕疵は色々見つかりそうですが、いずれにせよ「マス」という言葉時代が風化しつつある昨今、新聞というメディアももう少し変化する必要があると言えそうです。

「働き方改革」のために会社ができること。

「働き方改革」という言葉を時々耳にします。
要するにワークライフバランスとか労働時間削減とかそういう文脈で、働き方を見直して労働時間を下げよう!という話です。この裏に「残業代削減に伴う労務費抑制」という経営側の思惑があるのかどうかはわかりませんが、基本的に支給される給与の額が変わらなければ労働時間は短い方がいいのは当然です。

ただ、そのアプローチがどうもヘンな方向に行っているように思います。
どうも「君たち一人一人がなんとか頑張りなさい!」と言われているように見えます。もちろん一人一人の生産性を上げていくのは大切なことで、それは個々人が努力すべきですが、それ以前に、組織としてもう少しやれることがあるのでは?と思います。

その一例は、「専門外の仕事」。
例えば、本来営業担当者は「営業」、すなわち見込み顧客を絞り込んでアプローチし受注をもらって売上を上げることを仕事にしているはずなのに、それとは関係のない事務処理までやらされているケース。会社運営において事務処理も重要ですが、一方で「専門の部署で集中的に捌く」とか「決済や報告のあり方を変え、事務処理量自体を削減する」とか、組織としてももう少し改善できるところがあるのでは、と思います。

そして、それ以上に重要な要素だと僕が思っているのは、「場所の制約」と「時間の制約」です。

例えば、地震や豪雪の日にそんな災害や悪天候にも関わらず一生懸命出社しようとする人々は、この「場所の制約」と「時間の制約」の犠牲者であると言えます。働く場所に制約がなければ、わざわざそんな日に移動する必要はないし、働く時間に制約がなければ、混乱が収まってから移動する、という対処も可能だからです。
このように、昨今の大企業ホワイトカラーは依然として「決められた時間に」「決められた場所に行き」「決められた時間数働く」という工場のブルーカラーのような働き方をしています。ここを変えて行けば、個々人の生産性は対して向上せずとも、組織としての生産性は相当程度向上するのではないか?というのが本エントリーの趣旨です。

ではなぜこれらの制約から解放されれば、組織としての生産性は上がるのか?

昨今の大企業ホワイトカラーの仕事は、大きく分けて「一人でやる作業」と「人と協力して進める作業」の2種類であると言えます。
前者は当然ながらその作業の特性ゆえ場所や時間に制約される必要はありません。そのため制約から解放されれば生産性が上がるのは当然です。自宅で作業できれば通勤に費やしていた時間は削減できるし、いつでも作業できるのであればちょっとした余り時間でも仕事を進めることができます。
後者の「人と協力して進める作業」は、「コミュニケーション」と言い換えることができます。それは「作業指示」だったり「調整」だったり「提案」だったり「報告」だったり「ブレインストーミング」だったりしますが、いずれにせよ他者が介在する作業は全てコミュニケーションです。そしてそのコミュニケーションの大半は、複数人が顔を合わせる必要がある一部の打ち合わせやプレゼンテーション、何か物理的なオブジェクトの構築を伴う作業を除き、既に大半が電話やメールに代替されている。つまり電話であれば場所に制約される必要はないし、メールであれば、緊急事態でない限り時間にすら制約されません。そうでなければ、グローバル化する昨今日本の人とブラジルの人が協業することすら難しいはずです。
つまり、仮に「資料を作る速度」や「メールで要点を伝える技術」が向上しなくても、「時間の制約」と「場所の制約」さえ取り除ければそれだけで生産性が向上する。

ではなぜこれらの制約があるのでしょうか。
まず「場所の制約」から考えてみます。
「昔からの名残り」という以外に原因を探すならば、「仕事を進める上で必要なリソースがその場所にしかない」という理由が考えられます。しかし、よく考えてみると「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」というリソースのうち、「ヒト」は常に一緒にいる必要はありませんし、基本的に「ヒト」は動かせます。「カネ」には場所は関係ありません。「モノ」は文房具くらいしか思いつきませんが、これもあまり問題にならなそうです。問題は「情報」で、IT化以前の時代はそれらは紙という物理媒体だったので決められた場所にしかありませんでした。
現在でもファイルサーバの置かれたNWには特定の場所からしかアクセスできないとか、メールのデータは特定のPCのハードディスク内に保存されている、というケースは少なくありません。仮に「ファイルサーバにはどこからでもアクセスできる」としても、「実はアクセスできる端末が限られている」「その端末は自宅に持ち帰ってはいけないので基本的にオフィスに置いてある」のであるならば、物理的に制約されているのと同じです。最近では「在宅勤務」などの制度導入がみられますが、それも基本的に「オフィスで働くことを前提とした例外措置」であり、「事前申請」等が必要で依然制約がある状態だと思います。
クラウドサービス等が百花繚乱のこの時代に依然として上述したような「場所の制約」が残っている理由は、「セキュリティ」です。しかし、現代の企業の多くは、そういったセキュリティリスクの発生頻度とインパクトを踏まえ、且つその制約によって損なわれる利便性と比較して、意思決定をしているとは思えません。従って問題は、経営陣(特にCTO)の意思決定力、と言えます。

「時間の制約」はどうでしょうか。
「場所の制約」がある状態であれば、「オフィスの電気代の節約」等の目的から社員のオフィス使用時間、つまり就業時間を一定の時間帯に限定する、というのは有効だと思います。つまり「時間の制約」が存在する理由の一つは「場所の制約」があるためです。もう一つ考えられる理由は、「人事考課」です。
日本の大企業の多くは社員の職務が不明確なため、成果に基づいて評価することが困難です。このため、どうしても年次や勤怠、または「がんばり度」でしか社員を評価できない。これらの評価のためには、社員を観察する必要があります。
このことから、「時間の制約」からの解放を目指すには、「場所の解放」と「人事制度の変更」が必要になると言えます。

以上の議論を踏まえると、短期的な打ち手としては組織としてのリスク許容度をほんの少し上げ、それに合わせた社内システムを構築することで「場所からの解放」を促進し、組織としての生産性を向上させることができるのではないかと思います。
例えば、下記のような社内システムを導入するだけでも生産性は大きく変わるのではないのでしょうか。

  • メールシステム
    • 受信トレイの容量が十分に大きいこと(5GB程度)
    • PCやスマートフォン等どんな端末でも確認できること
  • ファイルサーバ
    • 十分な容量があること
    • PCやスマートフォン等どんな端末でもインターネット経由で確認できること(理想的にはデータを端末側で保存できる。紛失等の際にはリモートワイプでデータ消去。)
  • その他社内システム(稟議系)
    • ブラウザベースでどこからでもどの端末からでもアクセスできること

なお、この考え方のベースにはインドネシアの子会社に出向していた際の経験があります。設立当初は社員数も少ないため、メールはプライベートドメインを取得しGmailで運用。Gmailは受信トレイの容量が数GBあるため、全てのメールは添付ファイル付きの状態で受信トレイにおいておける。つまりGmailの受信トレイがファイルサーバとしても機能するわけです。これはどんなデバイスからも確認可能なので、平日だろうが休日だろうがオフィスにいようが移動中だろうが確認でき、また返信ができます。これでメールの確認、返信という作業のほとんどはわざわざオフィスに行かずとも隙間時間に済ませられる。またスマートフォンないしタブレット端末さえあればちょっとしたWord / Excel / PowerPointファイルの作成、修正は可能。このため休暇中の旅行先でも、資料の修正、返送は可能に。急ぎで修正しなければならない資料があったとしても、休暇明けまで他の人を待たせることがなくなります。他の社員とのコミュニケーション頻度、返信速度が上がり、組織としての生産性が高まりました。

仕事だけでなく、余暇の時間も十分に確保する。この考え方は大切です。ただ、それには個々人の努力だけでなく、制度設計も重要。場所や時間という制約から解放されれば、育児中の社員などの活用度も上がります。
闇雲に早く帰らせようとしたり、個々人の努力を求めるだけでなく、こういった変革も重要なのでは、と思う次第です。

物価の違い。

2年半の海外赴任から日本に帰って3ヶ月と少し経ちました。
赴任先はインドネシアだったのですが、日本に帰ってきてから友人などに「インドネシアに住んでいた」ということを言うとよく「あっちは物価が安いでしょ!」と言われます。こう言われると、大体返答に困ります。物価が安いかどうかは結構モノによるからです。

実は、インドネシアでは、何もかもが日本より安いわけではありません。安いものは安いですし、同じくらいのもののもありますし、日本で買う方が安いものもあります。
ざっくり分類すると、下記のようになると思います。

  1. 日本で買う方が高い物/サービス
    • タクシー
    • 散髪
    • メイド
    • 家電

    タクシーは初乗り約70円、散髪はかなり高級な美容室で高くてもカット2,000円で安いところだと100円ほど、メイドは住み込みで働いてもらっても月2万円から3万円、通いだと5,000円程度もあり得る。これらのプライスレンジは大体日本の1/10前後の値段という感じです。

  2. 日本でもインドネシアでも価格が変わらない物/サービス
    • マクドナルドのハンバーガー
    • スターバックスのコーヒー
    • ユニクロの服

    多少経済水準に伴う調整はあるものの、マクドナルドのハンバーガーは100円前後でビックマックは200円〜300円前後、スタバのコーヒーは300円から400円しますし、ユニクロの服もほぼ日本と同じくらいの価格です。

  3. 日本で買った方が安い物/サービス
    • 高級ブランドの服や時計
    • 乗用車
    • 電化製品

    高級ブランドの服は日本で買うよりも数十%高い印象です。高級ブランドの腕時計はインドネシアで買うと日本の2倍くらいの値段になります。乗用車は日産マーチが確か300万円ほどと聞きました。電化製品も高い印象です。

というわけで、東南アジア諸国などの新興国で、全ての価格が必ずしも日本より安いわけではないということがおわかり頂けたと思います。
ではどういうものが日本より安く、どういうものが日本より高いのか。また日本で暮らすよりも生活費が安いのか高いのか、ちょっと考えてみたいと思います。

まず、日本よりも価格が高くなるのは、輸入品、贅沢品です。高値の理由は税金で、インドネシアでは輸入品には関税が、贅沢品には奢侈税がかかります。この国では徴税率がまだ低く、全個人の10%程度、全法人の5%程度しか納税者番号を持っていないと言われます。このため、「取れるところから取る」が基本ポリシーで個人所得税の累進性もかなり高いものとなっています。「高級な輸入品を好む人買う人はほぼ例外なく金持ちである」という文脈から、これらの税率は高くなっており、それが購買価格にも添加されています。

一方、日本よりも価格が安くなるのは現地で生産されている製品、もしくは原価の大半が労務費で構成されているサービスです。目下経済成長中とはいえ、まだインドネシアの賃金水準は日本に比べて非常に低く、首都であるジャカルタであっても最低賃金は2013年時点でまだ月額3万円に達していません。このため、労働力は非常に安い。例に挙げたタクシーや美容室、メイドなどは人件費がサービスの主要な部分を占めているため、最終価格も安くなります。なお、メイドが安く雇えるため、日本で売れているような高級家電はインドネシアではあまり売られていません。日本では「ルンバ」「食洗機」「全自動洗濯乾燥機」が家電における「新三種の神器」と言われます。それは家事をフルアウトソースして日本人の効果な労働力を節約できるからですが、インドネシアではルンバや食洗機を買うよりはメイドを雇った方が圧倒的に安いです。

日本と価格が同程度になるのは、グローバルブランドの低価格な消費財です。マクドナルドやユニクロ、ZARAなどはどこの国に行っても基本的にはあまり値段が変わりません。ただ、この辺りはそれぞれのプロダクトによって「行政の方針」「ブランドの戦略」「現調率」等々様々な要素がプライシングに影響していると思います。例えば、当該製品を奢侈品と見なして課税するかどうかは行政の方針次第です。また、その税金分を最終価格に反映させるかどうかはブランド側の戦略によると思います。税金分コストアップになっているが、最終価格には反映させない、という経営判断もあるはずです。また、現調率の高低は関税の額に影響します。少なくともユニクロの製品が日本と同程度の価格で、無印良品の製品が日本のそれよりも高いのは、現調率に伴う課税額が影響していると思います。そんな色々な要素がありつつも、このあたりのグローバルブランドの製品の価格はどこの国でも大体同じような価格帯に収斂しています。

上記の理由から、普通の日常生活を営むためのコストは日本よりも少なくなりそう、ということが言えそうです。
ただ最終的に生活コストに影響するのは、どの生活レベルに合わせて生きるか、という選択だったりします。日本では貧富の差があまりないため、提供される財・サービスにもあまりバラツキがありません。「めちゃくちゃ汚くてもいいから10円で食べられるご飯屋」なんてないですし、「みすぼらしくてもいいから50円で買える服屋」もあまり見かけません。安い食事はせいぜい吉野家とかマクドナルドレベル、安い服屋はせいぜいユニクロやしまむら、イトーヨーカドーレベルです。一方、インドネシアをはじめとする東南アジア諸国は貧富の差が大きいので、貧しい人々の経済圏と裕福な人々の経済圏があります。最近はこれらに加えて中間層の経済圏が新たに形成されてきました。貧しい人々の経済圏では、家賃は月1万円くらい、食費は1食数十円から100円程度なんていう世界もあります。一方、裕福な人々の世界では家賃は月10〜20万円以上、食費は1食1,000円です。インパクトが大きいのが家賃で、どういう家に住むかによって1ヶ月あたりの生活コストは大きく変わる。しかしそれは、どういう生活レベルで生きるか、という選択にほかなりません。
同様に、現地で生活するとなると現地で仕事を探さねばなりませんが、日本の会社から駐在員として派遣されるのではなく、現地で直接雇用されるような場合だと、やはり給与水準はある程度現地の水準を考慮されつつ決められることになります。少なくとも手取りの額は日本でもらっていた時よりも少なくなるでしょう。

以上を考慮すると、新興国では一部の物価が安いのは事実ですが、必ずしもそれが「楽して暮らせる」ということを意味するわけではないようです。

オレ流モジュール収納術。

数ヶ月前に海外赴任から帰国し、日本で新たに生活を始めました。
日本国内で引越しする場合、結婚などのタイミングでもない限り自分の生活様式は変わらないと思いますが、家財のほとんどを日本国内のトランクルームに保管し、必要最低限のものだけ運んで海外生活をしたお陰で、自分の生活の理想のあり方、何が必要で何が不必要かということを一から考え直すことができてよかったです。

さて、僕が新しい家に住む度に毎回イチから考え直しているのは、収納です。 (さらに…)

点と点が、線になる。

将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。

ご存じの方も多いと思いますが、これはスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式にて語ったスピーチの一節です。スティーブ・ジョブズは、大学中退後にカリグラフィの授業を聴講したことで、それがMacの開発に活かされ、Macの大ヒットに繋がったと語っています。カリグラフィの授業を聴講していた頃のスティーブは、その後自分がコンピュータを開発することも、そのコンピュータが美しいフォントを実装することも想像だにしていませんでした。しかし結果としてその経験は彼のキャリアにおいて非常に重要なものだった。要するに、自分のキャリアについて、予め将来を予測して設計することなどできず、ただ振り返った時に過去の自分の行動が今に活きていることがわかるだけ、ということです。

僕も最近このような感覚、点と点が線になる感覚を強く感じます。
過去の自分の行動、それが将来どのように活きるのか、もしくは全く活きないのかもわからずにやっていた行動が、今になって思わぬ形で現れてきて、自分の人生を形作っていること。それを実感すること。例えば、僕は以前から友人たちに「考え過ぎ」とか「趣味、悩み」と言われていたくらい色々ウジウジ思い悩む人間でしたが、今振り返ってみると、その悩みがこのブログの礎になっているんだな、ということを実感します。当時は悩むことも嫌いでしたし、自分のウジウジ悩むような性格もとても嫌でした。しかしその悩みが将来ブログのネタになって、少ないながらもマネタイズに貢献しつつ思考のトレーニングに寄与することになるなんて。そんなこと、考えてもみませんでした。

「カリグラフィを学んだこと」と「Macを開発したこと」。
「ウジウジ悩むこと」と「ブログを書くこと」。
何かのアクティビティが、別のアクティビティと化学反応を起こすこと。そして強烈な相乗効果を発揮すること。しかしどのアクティビティとどのアクティビティが化学反応を起こし、強烈な相乗効果を生むかは、事前にはわからない。

僕の場合、この化学反応は性格の変化を伴います。
厳密に言えば、もちろん「ウジウジしている」「女々しい」「陰湿」というもともと僕が持っている基本的な性格は変わりませんが、思考様式や行動パターンはこの化学反応を経て大きく変わる。というよりもそういった思考様式や行動パターンに変化を及ぼすからこそ化学反応と言えるのかもしれません。
先日出席した大学のゼミの会合で、先輩に「キミって昔からこんな人だったっけ?」というようなことを言われましたが、これは大学卒業後に経験した化学反応によって、僕の思考様式や言動が変化した故ではないかと思います。幾度かの化学反応を経て、多分僕の性格は学生時代のそれともはや大きく異なっているのかもしれません。

さて、前置きがかなり長くなりましたが、本エントリーでは僕がこれまで経験した化学反応と、それによって自分がどう変化したかを棚卸ししてみたいと思います。

  1. 2005年、初めての転職活動。
    僕の新卒での就職活動は、正直言ってあまりうまくいったと言えるものではありませんでした。悔しさや情けなさに苛まれつつ、辛うじて内定をもらって入社した後も「今いる場所は自分のいるべき場所じゃない」と思う日々。そんな僕は入社して2、3年で、転職活動をしました。自分が何をやりたいかすらわかっていないにも関わらず。
    結果は散々でした。
    ただ、このコテンパンにされた経験のお陰で、自分がいかに無知だったかを知ることができました。それまでは新聞さえ読まなかった僕が本を大量に読むようになったのはまさにこの出来事がきっかけです。そして、「伝わる・揺さぶる!文章を書く」と「史上最強の人生戦略マニュアル」という2冊の本に出会ったお陰で、「自分の頭で考えるということ」「答えを他に求めるのではなく自分の中に求めること」を学ぶことができました。
    化学反応を起こすイベントは他にもいくつかありますが、今振り返っても、これが後に続く化学反応の起点となったイベントである点、そしてそれがもたらした相乗効果のインパクトの強烈さという点で、この2005年の出来事、学びを超えるものはまだありません。
  2. 2008年、プライベートなこと。
    2008年に私生活で変化がありました。これには大きな意思決定が伴いました。
    往々にして、ポジティブな意思決定は根拠が薄弱でもあまり悩む必要はなく、それゆえ根拠を細部に至るまで追求、整理する必要はありません。一方で、ネガティブな意思決定、特に他者への説明責任を伴うような意思決定は、詳細な根拠の提示が求められます。その意思決定が人生に影響を与える場合、意思決定の礎となる根拠は、哲学です。どの選択肢を選んでも何かが大きく毀損していく側面、その中で何を基準にどういう選択をするのか。それはなぜか。それはどのような人生を生きるためか。
    この経験で学ぶことができたのは、「自分はどういう人生を生きたいか?」という問いへの手がかりでした。当時少なくとも半年ほど毎日このことを考え、その結果ようやく朧気に掴めた感じのある答え。それは自分は何かに妥協したり何かを我慢するために生きているわけではなく、何かを成し遂げたり楽しんだりするために生きている、という当たり前のこと。
    そしてもう一つ学んだのは、「生きたい人生を生きることに伴う犠牲への覚悟」でした。面白いことに、自分一人で生きたい人生をただ生きるだけでも、他人を犠牲にします。竹取物語でかぐや姫は「結婚しない」というポリシーを貫くため、5人の求婚者に試練を与えることになりました。彼らはその試練に失敗し、中でもある一人は命さえ落としてしまいます。自分の生きたい人生を生きること、それ自体一見して直接他人に迷惑をかけるものではなかったとしても、結果として他人を犠牲にしてしまう状況は生じます。それが全く自分の望まない事態であっても、自分が最も犠牲にしたくない人であっても。それでも自分のポリシーを貫くには、その犠牲を背負う覚悟が必要です。
    この出来事を経て、自分の人生の哲学はある程度形作られたように思います。
  3. 2011年、インドネシア赴任。
    インドネシアでの海外赴任生活は、生きたい人生を生きる上で必要なことの一つでした。
    赴任する際の漠然とした抱負は「後悔しないようやりきること」。短い赴任期間の間に、やるべきこともやりたいことも含め、仕事もプライベートも、いかに全てをやり切るか、いかに経験を詰め込むか。この点を意識して日々を過ごしました。
    お陰様で、これまでブログにも書いた通り(「何を得たか。」「時間を有効活用するための7つのコツ。」)、この海外赴任は僕に数え切れないくらい多くの学びをもたらしました。そもそも外国にほとんど行ったことがなかった身としては海外に行くこと自体が新しい刺激でしたし、それ以上に新たな文化や言語を学ぶこと、新しい場所や景色を見ること、新しい職務に携わること、新しい趣味を始めること、などなど、それまで経験していなかった非常に多くの経験を新たにすることによって、自分の感覚が大いに「拡張」されたように思います。ここで獲得したことは、「やりたいことをやってみるフットワークの軽さ、行動力」と、「失敗してもなんとかなるという安心感、自信」でした。
    それまでは、不安や心配、億劫さから物事をつい先延ばしにすることも多々ありましたが、インドネシアでの日々を経て、初動に必要な時間を大幅に短縮された上、行動の総量自体が増えました。また、オンでもオフでも様々な失敗を経験することによって、それらへの対処方法も獲得できた上、「大体の失敗はなんとかなる、なんとかできる」という感覚も身体感覚として蓄積されました。

振り返ってみると、スティーブ・ジョブズの言葉通り、人生はまるで一本の線で繋がっているかのようです。
2つ目の学びは、1つ目の学びがあったが故に学ぶことができました。3つ目の学びも、2つ目の学びの上に成り立っています。ご覧になって頂ければわかる通り、1つ目、2つ目、3つ目の学びのきっかけとなった出来事にはまるで関連性がありません。それにもかかわらず、そこで得られた学びは相互に密接に関連している。先を見越してこんなことができるはずもなく、振り返ってはじめてそこにある軌跡を確認できる。

振り返ってもう一つ気づくのは、上述した化学反応が2005年の1つ目以降3年おきに訪れているということです。これは全くの偶然ですが、一方で仕事を例に考えてみても、確かに3年で一巡したと感じることが多そうです。DJに例えると3時間セットが一番しっくり来るイメージ。最初の30分は自分の前のDJから交代して、フロアの空気を徐々に自分の空気に塗り替えていく時間、次の2時間が自分のプレイを思い切りやる時間、最後の30分は次に交代するDJとの交代の仕方やタイミング等図りながら自分のセットを仕上げる時間。こういうことを考えると、化学反応が3年おきに訪れるのも、僕にとっては何らかの蓋然性がありそうです。

前回の化学反応はちょうど3年前。
そして今年、2014年。何が起こるのかとても楽しみです。

視点を提供する仕事。

海外赴任から復帰してからは、本社の人々が海外に事業展開するのを支援するお仕事をしています。
支援という立場なので、ここでは僕自身が手を動かすわけではなく、アドバイザーやコンサルタントのような立場でお手伝いをしています。 (さらに…)

諦めること、諦めないこと。

先日映画館で「ゼロ・グラビティ」を観てきました。最高でした!リアリティという意味ではクエスチョンマークがつくところが少々あるらしいですが、SF好きの僕にとってはとっても楽しめる映画で、最初から最後まで手に汗握りながらエンジョイしました。

さて、最近映画を見たり本を読んだりする時、よく「この映画、本から何を学んだか?」ということをつい考えてしまうのですが、本作を通して僕が学ぶことができたと思ったことは2点ありました。 (さらに…)

Best Music 2013。

最近はディスクレビューもサボりがちになってきているのが少々お恥ずかしいところですが、相変わらず音楽は次から次へと仕入れて聴いています。海外赴任していたこともあって楽曲の調達は100%デジタルになりました。主な調達先は、Beatport、iTunes Store、Soundcloud辺りが主力だったように思います。世界中のどこにいても好きな音楽にアクセスできるというのはとても幸せなことです。
というわけで、2013年に出会えたたくさんの素晴らしいアルバム、楽曲の中から個人的に特に「素晴らしい!」と思ったものをご紹介します!

  • Best Album 2013

    1. Hot Since 82 / “Little Black Book” [Moda Black]


      ここ2、3年で急速にブレイクしたHot Since 82。そのプロダクションは非常にオーソドックスなリズムトラックを中心としたハウスミュージックでありながら、ダークでディープでダビーでドラッギーな感じが素晴らしくカッコよくって、どんな時間帯のどんなセットにもぴったりしっくり収まりそうな感じがとてもいいです。本作はそんな彼のファーストアルバム。実は自身名義のプロダクションのみならず他アーティストのリミックスも含まれているけれども、それらも広い意味では彼のプロダクション。ついノンストップミックスかと思ってしまいがちな不断のグルーブ是非ご堪能あれ。

    2. Sasha / “Involv3r” [Ministry of Sound Recordings]


      プログレッシブハウスの王Sashaによるニューアルバム、”Involver”シリーズの3作目。この”Involver”シリーズのコンセプトは「このアルバムのために作られたSashaのリミックスだけでコンパイルされたMix CD」というありそうでなかったもの。さすがに全曲がSashaのリミックスで、しかもこのアルバムのために作られたものであるが故に、そのアルバム全体の統一感とミックスのスムーズさは語るまでもなく、Sashaの作風が好きな人は確実に、そうでない人もその滑らかで流麗な舌触りに没頭できる内容になっています。残念ながら未だ第1作目がベストですが、3作目の本作も以前素晴らしいです。

    3. Minilogue / “Blomma” [Cocoon Recordings]


      ここから上位はもはや甲乙つけようのない名盤揃い。まずはMinilogueから。もともとはSon Kiteというサイケデリックテクノユニットとして活躍していたSebastian MullaertとMarcus Henrikssonが作った別名義がMinilogue。以前はどちらかというとプログレッシブハウスよりだったけれども、大昔からそのミニマル&クリックなリズムトラックと美しく折り重なるシンセがとても好きなアーティストでした。本作はそんなMinilogueのニューアルバム。昨今彼らのプロダクションは1曲が15分とか20分とか極端に長尺のものが増えていますが、本作はなんとたった8曲で150分というバケモノアルバム。しかしノンストップで紡がれたそのミニマル且つ流麗なサウンドは、BGMとして強力な効果を発揮。勉強や読書のお供として、今年大活躍してくれました。本当にカッコいいアルバムです。

    4. DJ Koze / “Amygdala” Pampa Records


      稀有な才能を持つドイツ人プロデューサー。彼が主宰するPampa Recordsは僕のお気に入りなのは、Matthew HerbertやRobag Wruhmeなどレーベルを代表するアーティストたちが作る乾燥してパサパサしたトラックにウェットでちょっと気が狂ったベースライン、そしてその上で踊る美しい音色のシンセ、というような楽曲がとっても素晴らしいから。そんなレーベルのオーナーDJ Kozeがリリースしたニューアルバムがこちら。この期待を上回る期待通り感!これこれ、こういうのよ!こういうのを待ってた!!ちょっと間の抜けた感じながら穏やかで美しい1曲目から始まり、全編ほんわか癒される美麗サウンド満載。癒やされたい人に是非。

    5. Andrew Bayer / “If It Were You, We’d Never Leave” [Anjunabeats]


      このアルバムを何度聞いたことか。トランス界のトップアーティストAbove & Beyondが主宰するレーベル”Anjunabeats”の看板アーティストの1人Andrew Bayerのファーストアルバム。レーベルオーナーがトランス〜プログレッシブハウスのアーティストのためレーベルからリリースされる楽曲も9割方その系統なのですが、Andrew Bayerだけがその中で異彩を放っています。本作も収録曲のほとんどはBPM120以下、半分ほどはBPM80〜100のユルいエレクトロニカです。しかし、「神々しい」とまで言えるほどのピアノとストリングスの美しさよ。先に紹介したDJ Kozeのアルバムが「癒やし」だとするならば、これは「陶酔」とか「恍惚」という表現で表されるべきでしょう。本当に素晴らしい、最高のアルバム。

  • Best Track 2013

    1. Danny Byrd feat. Tanya Lacey / “Golden Ticket” [Hospital Records]


      ベストトラックも全て甲乙つけ難いのですが、一応1位から10位までランキングしました。10位はドラムンベースから、Danny Byrdが受賞。Danny Byrdは本当にコンスタントに良質なドラムンベースをリリースし続ける素晴らしいアーティスト。その楽曲は全て美しく、アップリフティングで、つい拳に力が入っちゃって、いつの間にか笑顔になる、そんな元気になる楽曲ばかり。美しいストリングスから始まる本作も、Tanya Laceyの伸びやかなボーカルと相まってその美しさと言ったら格別です。

    2. Rebelski / “The Rift Valley (Lee Van Dowski Binary Re-Up Mix)” [Cadenza]


      この2013年のベストトラックを選んでいると自分の嗜好を否応にも目の当たりにせざるをえないのですが、やっぱり美しい曲が好きなようです。美しくてノリノリになれたり、美しいけど暗黒な感じだったり、美しくて壮大だったり。この曲は夏頃リリースされたLucianoのRemixで一世を風靡したトラックで、「美しくて癒やし」というタイプのトラックです。Lucianoの方がリズムトラックが生音っぽいパーカッションなのでよりマイルドな印象ですが、僕が好きだったのはこちらのキックがはっきりしたバージョン。まるで天使が降りて来たかのような曲です。

    3. Wankelmut & Emma Louise / “My Head Is A Jungle (Gui Boratto Remix)” [Poesie Musik]


      今年も精力的に活動したブラジル人クリエイターGui Boratto。実は今年ニューアルバム”The K2 Chapter”をリリースしていたのですが、アルバム収録曲はなぜかあまりパッとせず……。その一方で別途リリースされた”Too Late”は素晴らしい出来だったりして、ちょっとなんだかよくわかりません。そんなGui Borattoプロダクションの中で今年出色の出来だったのは本作。なんとなくMichael Jackson / Billie Jeanを彷彿させるトラックの上にこれまたちょっと古い感じのボーカル、メインリフが乗るが、その哀愁漂うメロディラインときたら!!哀愁漂いつつもグルーブ溢れるナイスなトラックです。

    4. Mirror People / “Kaleidoscope (Psychemagik Remix)” [Discotexas]


      最近出会ってなかったタイプの曲。マンスリーのディスクレビューでもご紹介しましたが、このシンセの音色やちょっと不思議なメロディラインが僕のめちゃくちゃ大好きなトラックFederleicht / “On The Streets (Kollektiv Turmstrasse Let Freedom Ring Mix)”にそっくりな雰囲気でもうめちゃくちゃ好きです。はっきりしたキックとハットがDJとしてもとても使いやすいし、曲調も時間帯を選ばない感じがとてもいい感じです。

    5. Jimpster feat. Jonatan Backelie / “Brought To Bare (Deetron Paradise Version)” [Freerange Records]


      ディープテック界隈の第一人者Jimpsterも僕の大好きなアーティストの一人。彼も今年ニューアルバム”Porchlight & Rocking Chairs”をリリースしたのですが、Gui Boratto同様個人的ベストアルバム入りには至らず。前作”Amour”のアルバムとしての出来が良すぎたせいで期待しすぎたのかもしれません。そうはいってもこのアルバムにも良質な楽曲はちゃんと収録されていて、その内の1曲がこの”Brought To Bare”。オリジナルも大変に素晴らしい楽曲なのですが、それ以上に素晴らしいのがDeetronによるこのリミックス。オリジナルの浮遊感漂う雰囲気を上手にキープしながら得意の高揚感溢れるシンセで華麗に味付けしておきました。

    6. Andrew Bayer / “An Ending” [unreleased]


      個人的ベストアルバムで1位を獲得したAndrew Bayerも、今年は素晴らしい曲をたくさんリリースしてくれました。そんなAndrew Bayerのプロダクションの中でも特に好きなのがこれ。なんとリリースされていませんが、↑のSoundcloudのリンクからダウンロードできます。ある日急にAndrew BayerがFacebook上で「新曲作った。やる。」的な感じで配布したもの。「適当に作ったもののレーベルに送るほどでもないからSoundcloudにアップロードしてファンにでも配るか」的ノリだったはずなのに何このクオリティ。Andrew Bayerらしいシンセとボーカルがどこまでも美しいエレクトロニカ。

    7. Sailor & I / “Tough Love (Aril Brikha Remix)” [Black Butter Records]


      この曲も衝撃的な美しさでした。決してボーカルのメロディもシンセリフのメロディも複雑なものではなく、どちらかと言うと単調に展開していくタイプの楽曲にもかかわらず、なんだろうこの表情豊かに展開していく感じは。一方で、このミニマルな反復が一度ハマるともう何度繰り返し聴いても飽きない秘訣なのかも。音色の一つ一つがぴったりハマって素晴らしい美しさを醸し出しています。

    8. DJ Koze / “Magical Boy (Matthew Herbert’s ‘Not ‘til It Stops Mix’ feat. Rahel)” [Pampa Records]


      今年の僕の最大の発見はMatthew Herbertでした。今までも何気なく楽曲は購入して聴いていたはずですが、なぜかMatthew Dearあたりとごっちゃになってちゃんと認識できていませんでしたが、今年彼のアルバム”Bodily Functions”に出会ってその美しさに圧倒された上そのアルバムが今から12年前の2001年リリースだと知ってさらに驚愕。10年経ってもまったく問題ないそのクオリティ、圧巻でした。そんなMatthew Herbertが、個人的ベストアルバム第2位にランクインしたDJ Kozeのニューアルバムの1曲をリミックスしたのがこれ。インストだったオリジナルにボーカルを乗せたリミックス、そしてそのボーカルの素晴らしさよ。明日への希望が見い出せる曲。

    9. Flight Facilities feat. Micky Green / “Stand Still (Wave Racer Remix)” [Future Classic]


      今年の暮れあたりにリリースされたのに結局ベストトラック第2位まで上りつめた個人的大穴。ハウスでもないしなんだかとてもチージーな感じなんですが、一度聴いて頂ければ僕がなんでこの曲に大ハマリして来る日も来る日も何度も何度も聴き倒したのかがわかって頂けると思います。要するに、ズルいんですよこのコード進行が。しかも歌の部分は全く使わないという鬼畜リミックス。朝の通勤時に聴くと一発で元気になりますね。

    10. Zedd feat. Foxes / “Clarity (Aurtas Pararell Trip Club Mix)” [unreleased]


      去年に引き続き今年もEDM旋風がオーバーグラウンドアンダーグラウンド問わず吹き荒れていましたが、このBest Track 2013をご覧頂ければわかる通り僕はちょっとその風潮とは距離を置いています。なんというか、音楽シーンの状況が2000年前後のトランスシーンを見ているようで、あるジャンルが急速にブームになることでフォロワークリエイターが金太郎飴楽曲をベルトコンベアで大量生産した結果いい楽曲まで全部サイバートランス的ブームとして消費されてしまうような既視感があって。中にはいい楽曲もあるんだろうけど、楽曲だけでないその周辺のテンションに圧倒されちゃって。その中でも良質だったのが例えばZedd。オリジナルのリリースは2012年でしたが、彼のデビューアルバム”Clarity”収録の”Spectrum”や”Clarity”は本当にメロディが素晴らしくて大好きです。そんな名曲”Clarity”を日本が誇るクリエイターAurtasさんがリミックスしたのがこれ。これは本当に素晴らしい。オリジナルより他のリミックスより素晴らしい。これもリリースされていませんが、なんとSoundcloudからダウンロード可能!太っ腹!個人的にはRadio Editのイントロが好きなのでそれとClub Mixを繋げて使っています。是非皆様ご一聴を!!